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40GのWDMを支える高密度技術

2006/08/31 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション 2006年2月1日号144ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

最先端の光伝送システムとして,1波当たり40Gビット/秒の波長多重(WDM)が期待されています。テラビット/秒を超える伝送の実現には高速の光信号を高密度に波長多重する必要があります。今回は40GのWDMを支える高密度・高感度化技術を紹介します。


図1 光信号のパワー・レベルには限界がある
保守者の目や通信装置の安全を守るためには,国際標準で規定された適切なパワー・レベル以下に制限する必要がある。
[画像のクリックで拡大表示]

 40Gビット/秒の光信号は,光コア網のプラットフォーム「OTN*」のOTU3として国際標準化されています。OTU3信号は,イーサネット信号などさまざまなクライアント信号を柔軟に多重・収容できます。

 これらを波長多重し長距離伝送する40Gビット/秒のWDMシステム技術は,テラビット/秒を超える次世代の光コア網の大容量化実現技術として期待されています。

 1本のファイバで送る伝送容量を大容量化するには,光信号の送信パワーを上ることが必要です。光信号の伝送容量を1Gビット/秒高めると,信号パワーが1ミリワット増加という比率で,大容量化が進展してきました(図1)。

信号パワーを抑え大容量化を目指す

 しかし,伝送容量が増大するにつれて大きな問題が生じました。光信号のパワーを上げ過ぎると,保守者の目の安全を損なったり,通信設備を破損する可能性が高まるからです。

 そこでITU*などの国際標準機関では,安全に光信号を扱うための信号パワー基準を策定しました。これらの基準に従い策定された適切な光信号パワーで,安全なシステム運用が可能となっています。

 そのため現在では,信号パワーを増加させることなく大容量化する技術が必要となります。これまで紹介してきた複数の波長を1本の光ファイバで伝送する波長多重技術は,もちろん欠かせません。

 40GのWDMシステムでは,高速の光信号を効率良く配置する高密度化と,低い信号出力でも安定して送受信可能にする高感度化を両立する高感度帯域圧縮変復調技術や,波形の歪みを修正できる波形等化技術などが重要になります。これらの技術を適用することで,さらなる大容量化の実現が期待されています。

位相変調で高密度・高感度化

 高感度帯域圧縮変復調技術は,波長の高密度化や低い信号パワーで安定した伝送品質を達成します。

 現在実用化されているWDMシステムでは,半導体レーザーを一定の出力状態として,外部変調器と呼ぶ光部品で光信号を変調する外部変調方式が用いられています。光スペクトラムの広がりが小さいため,波長を高密度に多重することが可能です。今では,伝送速度と帯域幅がほぼ等しくなるような理想的な状態(トランスフォーム・リミット)を実現しています。


図2 さらなる高密度・高感度化を実現する位相変調符号方式 強度変調符号方式と比べて,受信感度で3dB以上向上し,さらには帯域をより有効に活用できるメリットもある。
[画像のクリックで拡大表示]

 現在主流の10Gビット/秒のWDMシステムでは,信号の変調に強度変調(オン/オフ変調)が用いられています。しかし10Gビット/秒の強度変調を,そのまま40Gビット/秒に適用しようとすると課題が生じます。信号帯域幅が10Gビット/秒の4倍に広がる40Gビット/秒のシステムでは,受信感度が相対的に低下するからです。

 そこで受信感度を高めつつ,さらに帯域を有効利用できる変調方法が検討されています。中でも最近注目を集めているのが,位相変調です。

 位相変調では,外部変調方式における信号の変調方法の自由度を利用し,変調に光の位相を用います。強度変調と比べて,3dB以上の感度向上や,帯域圧縮が可能です。位相変調方式は,より高密度な40Gビット/秒のWDM伝送に有効な方式といえます(図2)。

波形等化や誤り補正も利用

 このほか,40Gシステムを支える技術には,波形等化技術もあります。これは,伝送中に発生する波長の歪みを,種々の信号処理技術を適用して目的の波形に修正する技術です。これによって,より安定した送受信システムが可能になります。

 本コラムの18回「Tビット/秒超を実現するWDM最新技術」で紹介したラマン増幅*技術や誤り訂正符号技術も,低い信号出力でも安定して送受信できる技術として,40GのWDMシステムを支える重要な技術です。ラマン増幅は,幅広い波長領域でファイバ損失を補います。誤り訂正は,雑音に弱い高速信号のデータにあらかじめ冗長符号を加えておくことで,誤りを訂正します。

 これらの技術をベースとして,40Gビット/秒のWDMシステムでは,10Gビット/秒のWDMシステムとほぼ同じ再生中継距離で伝送しながら,Tビット/秒を超える大容量化を実現すると期待されています。

 次回は光ネットワークを支える基幹部品を紹介します。


萩本 和男 NTT未来ねっと研究所 所長
山林 由明 NTT未来ねっと研究所 フォトニックトランスポートネットワーク研究部 部長
宮本 裕 NTT未来ねっと研究所 フォトニックトランスポートネットワーク研究部 光伝送方式研究G 主幹研究員

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