夏になると心配なのが“熱”によるネットワーク機器のトラブルである。クールビズの導入でエアコンの設定温度が高くなったことや,最近のパソコンの消費電力増大によって,とくにデスク周りに置かれるルーターやLANスイッチを取り巻く環境は年々厳しくなっている。

 日経NETWORK誌が読者などを対象に毎年調査しているトラブル事例のアンケートによれば,ルーターやLANスイッチが熱によって暴走したというトラブル報告はとても多い。

 わが家でも,この熱暴走問題はかなり深刻だったりする。サーバーとして常時稼働しているパソコンが2台あり,ルーターやLANスイッチは設置スペースの都合上,パソコンと壁の隙間に追いやられている。暑い日の夜,帰宅したら熱暴走していたというケースは過去に何度もあった。

 ただ,だからといって24時間エアコンを動かし続けるなど,家計上絶対許されない...。こんな私を含め,熱問題に悩まされている管理者にお薦めしたいのが,今回紹介するコレガのLANスイッチ「CG-SW08TXHG」である。

性能と関係ない部分にこだわり

 このLANスイッチ,状態表示用のLEDランプが側面と上面の2面にあるという点を除けば,見た目上,これといった特徴はない。金属筐体で電源内蔵,ファンレスで動作といった仕様も今やさほど珍しいものではない。

 このスイッチの売りは,そうした見た目や性能とは関係ない内部にある。電源部分に信頼性の高いコンデンサを使うなどして,動作時の耐熱温度を摂氏50度まで保証しているのだ。

 私自身,今までネットワーク機器の耐熱温度など気にも留めたことがなかったが,ざっと調べてみると低価格なネットワーク機器の耐熱温度は40度までの製品が多い。高いものでもせいぜい45度止まり。50度まで耐えられる製品はほとんど見かけない。

 40度というのは,空調の行き届かない場所に置いていれば,夏場は本当にギリギリの線と言える。しかし,室内で50度を超えることはさすがにないだろう。たかが10度のように思えるが,この耐熱温度の差は決定的だ。

 10M/100Mイーサネットの8ポートLANスイッチで実売6000円前後という価格は,もう少しで1Gイーサネットのスイッチに手が届くことを考えれば高いと感じるかもしれない。

 しかし,いくら速度が速くても,いつ止まるかわからないネットワークほど心臓に悪いものはない。とくに仕事で使うネットワークなら,こういうところにこだわってこそプロと言えるのではないだろうか。


infomation
コレガCG-SW08TXHG
カテゴリ:LANスイッチ
購入先:インターネット通販
購入価格:6120円(税込み)
製品情報:http://corega.jp/prod/sw08txhg/
備考 : デスクサイドに取り付けるためのマグネットや壁掛け用のネジセット,ゴム足などが付属する


著者紹介
著者の斉藤栄太郎は日経NETWORKの記者。暇を見つけては秋葉原やネット・オークションでネットワーク機器を漁り,便利グッズやレアものツールを見つけては悦に浸っている。ルーター,スイッチなどはもちろん,トークンリング機器,L3スイッチ,企業向けIP電話機までも自宅の一室に山高く積み上げている。一女の父となり,日増しに強くなる奥さんの冷たい視線にさらされながらも,めげずに日々獲物を探している。