こんにちは,株式会社はてなの山田です。前回の記事では,はてなのトップページを使った情報収集術を紹介しました。コメントなどでフィードバックをお寄せいただきありがとうございました。今回からは,実際のサービスを使った情報収集・活用術を紹介していきます。

 ネット・サーフィンをしていて,面白そうなページを見つけたとき,あなたはどうしてますか? ITproを読まれている方の多くは,ページを印刷して持ち歩いたり,自分のブラウザのお気に入り(ブックマーク)に登録したりしているでしょう。

 先日公開された調査結果(japan.internet.comの記事)によると,9割以上のユーザーがWebでの情報収集や保存にブラウザのお気に入りを利用していると回答したそうです。ITproにも「お気に入りへ」というボタンが付きましたよね。ボタンをクリックするだけで,ITproの記事を簡単にスクラップできてとても便利です(編集部注:ただし対応しているブラウザはInternet Explorerだけです)。

  ところで,最近ネット・ユーザーの間でホットになっているサービスの一つに,「ソーシャルブックマーク」というものがあります。あなたはご存じですか?

  ソーシャルブックマークとは,その名前の通り「みんなのお気に入り」という意味のサービスです。簡単に言うと,ブラウザ上ではなくて,ネット上のサーバーにブックマークを登録しておき,その情報を皆で共有しようというサービスです。「SBM」や「SBS」などと略されることが多いようです。

  ソーシャルブックマークは,2003年の終わりごろに公開されたdel.icio.us(デリシャス)というサイトがきっかけでブレイクしました。

図1 ソーシャルブックマークの先駆けサイト「del.icio.us」のトップページ
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図1 ソーシャルブックマークの先駆けサイト「del.icio.us」のトップページ

ブラウザのお気に入りとの違い

 ソーシャルブックマークはその先進的なインタフェースはもちろん,「タグ」と呼ばれるユニークな分類方法,ユーザーが興味を持ったページのURLを貼り付けるタイプの「個人ニュースサイト」のようなものを簡単に作ることができることから,有名ブロガーをはじめとする新しもの好きのネット・ユーザーを熱中させました。今やネット・ユーザーにとってソーシャルブックマークは必須のツールとなっています。

  現在,同様のソーシャルブックマークを提供しているサイトは,国内だけでも30以上,海外を含めると100に達しそうな勢いで増えています。

  ブラウザのお気に入りと,ソーシャルブックマークの違いをまとめると,以下の図2のようになります。

図2 これまでのお気に入りとソーシャルブックマークの違い
図2 これまでのお気に入りとソーシャルブックマークの違い

  その後del.icio.usがYahoo!に買収されたり,インターネット関連の大手企業からも同様のサービスが提供されてきていることから,2006年の本命Webサービスとも言われています。またソーシャルブックマークはWeb2.0的サービスの代表格とも言われているので,「最近流行っているけどWeb2.0って何?」という方はとりあえず使い始めてみるのもいいかもしれません。