第1回 性能が向上したVirtual Server 2005 R2

 最近のプロセッサは,単なる処理性能向上にとどまらず,マルチコア化や仮想化技術の搭載など,高性能・多機能化が進んでいる。同時に,仮想化ソフトウエアも充実してきており,市場での仮想化に対する需要は益々高まっている。ここでは,Virtual Server 2005 R2の処理性能の改良点に焦点を当て,独自に実施したVirtual Server 2005とVirtual Server 2005 R2の性能テストを実施した。その結果,同じハードウエア構成で,R2は従来版の2倍の処理性能が出た。Virtual Server 2005 R2の処理性能を向上させる指針も紹介する。


第2回 x64に対応したVirtual Server 2005 R2

 Virtual Server 2005 R2は,x64対応の64ビットOS上で稼働するようになった。複数のOSを同時実行する仮想化ソフトウエアにとって,大容量メモリーが利用できる64ビットOSのメリットは大きい。ここでは,64ビット化の特徴を説明し,64ビットのホストOSで稼働したときの性能を,ベンチマーク・テストによって調べた。それによると,同一ハードウエアで同一仮想マシンを稼働させた場合,32ビット版Windowsと 32ビット版Virtual Serverの組み合わせに比べて,64ビット版Windowsと64ビット版Virtual Serverの組み合わせの方が,処理性能が約18%高かった。


第3回 物理環境を仮想環境に移行する~その1

 現在使用している環境に何らかの問題や課題がある場合,管理者はサーバーの移行を考える必要がある。管理者が直面する課題に,いくつかの点が挙げられる(本文で紹介)。これらの課題を解決する手段は,仮想化された環境に移行することである。ここでは,物理マシンからVirtual Server 2005 R2上で稼働する仮想マシンへの移行方法を説明する。


第4回 物理環境を仮想環境に移行する~その2

 本連載第3回に引き続き,「Virtual Server移行ツールキット(VSMT)」を利用した物理環境から仮想環境への移行方法を説明する。前回は,移行のために必要なツール類を用意し,移行サービス・サーバーを構築した。今回は実際にVMSTを使った移行作業の手順を説明する。


第5回 クラスタリングで可用性を向上

 仮想化技術を利用して複数のサーバーを1台に集約したら,サーバーのハードウエア障害対策を検討しなければならない場合がある。ここでは,Virtual Server 2005 R2を使ったホスト・クラスタについて解説する。クラスタとは一般に,複数のサーバーを1台の仮想的なサーバーに見立てたディスクの共有システムを指す。マイクロソフトの「マイクロソフト・クラスタ・サービス(MSCS)」は高可用性クラスタを構築するためのシステムである。ここでは,Virtual Server 2005 R2で稼働する仮想サーバーの可用性を向上させるため,MSCSを使って,ホスト・クラスタの構築方法を説明する。