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日経ソリューションビジネス

気持ちを先読みしたプレゼンが奏功
社内外の協力で厳しい納期も克服

コンサルタントへの飛び込み営業をきっかけに、1年半で3度の受注を獲得

2006/08/17
出典:日経ソリューションビジネス2006年8月15日号  22ページ
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 インフォファームは、ニコンカメラ販売の営業支援システムを受注した。役員向けのプレゼンでIT用語を徹底排除するなど提案相手の立場や気持ちを読み取ったプレゼンで高い評価を得た。

=文中敬称略


 今年7月、インフォファーム(岐阜市、辻博文社長)InfoFarm事業部CRM戦略グループリーダーの高畑力也は、ニコンカメラ販売からワークフローシステムを追加受注した。高畑はユーザー企業の気持ちを読み取る提案で信頼を得て、最初の商談から1年半で2度の追加案件をモノにした。今回のワークフローの導入で、ニコンカメラ販売の営業支援システム「N・NAVI」が完成する。

 商談のきっかけは、2004年の夏。ニコンカメラ販売は営業組織を改革し、本社の営業部門が全国にいる量販店などの店舗営業担当者を直接管理する体制に変更した。これにより、各地に散らばる多数の担当者を一元管理できるシステムが必要になった。

 本社から店舗営業担当者へ一括して指示・連絡を行い、店舗営業担当者の日報や営業情報を集約して管理する。まず、ニコンカメラ販売はべリングポイントに構築支援を依頼した。べリングポイントはすぐに、複数のCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ベンダーに声をかけ、1次選考を行った。そのうちの1社がインフォファームだった。

 実はこの数カ月前に高畑は、コンサルティング各社に飛び込み営業を掛けていた。CRM商談の際に、自社製CRMソフト「InfoFarm 戦略箱」を選択肢に入れてもらうためだ。話を聞いてくれるところは少なかったが、べリングポイントでは好感触が得られていた。そして11月、狙い通りに声がかかったのである。

 べリングポイントによる1次選考で高畑は、戦略箱の機能説明を重点的に行った。顧客の情報が分からず、システムに詳しいコンサルタントが相手という状況では最善策と考えたからだ。ニコンカメラ販売のようなメーカー商社で実績が多いことも評価され、最終選考に勝ち残る。ようやくRFP(提案依頼書)を受け取って仕様の詰めに入ると、ニコンカメラ販売からも営業推進部や営業部の担当者、そして企画部システムグループグループリーダーの賢賀雅紀が加わった。

ロールプレイでIT用語を徹底排除

 最終選考では製品説明を少なくして、開発体制やプロジェクトの進め方などの説明を提案の中心に据えることにした。これには2つの理由がある。1つは、役員やエンドユーザーが参加するプレゼンで、製品の細かい説明に時間を割くのは得策ではないと考えたこと。もう1つは、ユーザー企業の不安を取り除くためだ。地方企業のインフォファームは東京ではマイナーだ。「ニコンカメラ販売は機能よりも、プロジェクトを完遂できる会社なのかの方が気になるのではないか」と考えたのである。

 高畑の読みは当たっていた。賢賀は「機能面についてはべリングポイントの選択を信頼していた半面、よく知らないインフォファームの開発体制に不安があった」。さらに、最終選考にニコンカメラ販売の役員が多数参加することが分かると、高畑は提案書から専門用語をなくすことに努めた。実際のプレゼンを想定したロールプレイを社内で繰り返し、IT用語や分かりにくい説明を徹底して排除したのである。賢賀も高畑のプレゼンを「分かりやすかった」と褒める。こうしたやり取りや提案を通して、賢賀は高畑への信頼を深めていった。





本記事は日経ソリューションビジネス2006年8月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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