●FOMA P901iTV
ワンセグ連続視聴時間:約3時間主ディスプレイ:2.5インチ(240×320ドット)主カメラ:201万画素νMaicoviconサイズ:51(幅)×110(高さ)×27(厚さ)mm重さ:約150g
 NTTドコモのワンセグ対応携帯電話がFOMA「P901iTV」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)。現時点ではワンセグを受信できるドコモ端末はこれ1機種だけだ。ワンセグの視聴を想定して,2.5インチの高視野角液晶を搭載する。ワンセグ(地上デジタルテレビ放送)だけでなく,地上アナログテレビ放送の受信機能も併せ持つ。

画面を横に倒すとテレビが起動

 ワンセグを見るときの操作面でP901iTVの最大の特徴といえるのは,液晶部分を90度回転させることでテレビが起動する機能だ。事前の設定が必要になるが,携帯電話の液晶部分を普通に開いた状態から90度回転させ,L字型のスタイルにするとすぐにテレビが見られる状態になる。特別な操作をせずに,ワンステップでテレビが起動するのは分かりやすくて便利。もちろんダイヤルキー側の脇にあるテレビ起動ボタンを押すことでも起動できる。

 画面を横に倒した状態では,データ放送を表示しないテレビだけの横画面表示になる。P901iTVでワンセグを見るときの標準的なスタイルがこれだ。横画面でフルにテレビを表示したスタイルでダイヤルキーが表に出ているため,チャンネル選択などはダイヤルキーを押すだけで済む。



●液晶を90度回すとテレビ起動
 またP901iTVは2軸ヒンジ機構を搭載し,液晶面を表にした状態で折りたたむことも可能。データ放送を見るときは,携帯電話を開いて液晶画面が縦位置になる状態にする。こうすることで,自動的に画面下部にデータ放送コンテンツが表示される。データ放送のリンク選択は,iモードなどと同様に中央上部のナビゲーションキーを使って行う。

 ワンセグの連続視聴時間は約3時間。アナログ放送の受信時には1時間しかバッテリーがもたないことを考えると,デジタル放送による省電力化の効果が実感できる。番組は本体の内蔵メモリーに最大約30分の記録が可能。録画予約して通勤時間に番組を見るには物足りない記録時間だが,出先で視聴中に別の用事でテレビを見続けられないといったときには重宝しそうだ。

ベースとなる端末がやや古い印象

 NTTドコモ・ユーザーにとっては,現時点でワンセグを見る唯一の選択肢であるP901iTVだが,第1世代のワンセグ対応端末であり,万全の機能を備えているとはいえない。

 搭載する液晶は2.5インチで4:3のQVGA液晶。ワイド番組を表示するときには,映像の左右が切れた状態か,小さめのワイド表示になる。また,字幕放送に対応していないのも残念。字幕放送は番組の音声を文字に置き換えて画面に表示する機能で,電車の中などでイヤホンをせずにちょっと番組の内容を確認するようなときに便利なサービスである。字幕放送を使えないP901iTVでは,音を出せない場面での視聴にはイヤホンをするか,画面だけで諦めるといった割り切りが必要である。

 ワンセグ以外でも最新のドコモ端末に見劣りする部分は多い。「901i」を名乗るように,最新の902iSシリーズからみると2世代以上前の端末がベース。このため,トランシーバーのように話をする「プッシュトーク」や各種の情報が自動配信される「iチャネル」などの機能がない。日本語入力も,最新の優れた予測変換機能と比較すると時代を感じさせる。

 今すぐ,ワンセグを見られるドコモ端末が欲しいならば,選択肢はこれしかない。ワンセグをメインに考えるならば大きな不満はないだろう。ただ,すでに発売後5カ月を過ぎ,購入する端末に“最新機能”も要求するならば,次期のワンセグ対応端末を待った方が無難と言える。