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ITエンジニアのスキル向上ゼミナール

【中級】会議の生産性と効率を高める 第1回

必ず行う7つのステップ

2006/08/04 日経SYSTEMS
出典:日経ITプロフェッショナル 2003年2月号54ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

単に時間を浪費するだけの無駄な会議が仕事を阻害する――こんな経験は,ITエンジニアなら誰もが持っているのではないだろうか。
だが嘆いているだけでは始まらない。決して簡単ではないが,今すぐに「改革」に着手して欲しい。
会議の進め方を7つのステップに分けて生産的,創造的な議論の場を作り出す方法を解説する。


図1 日常の会議に見られる参加者の感情
参加者たちがこうした個人的な感情を抱いてて会議に臨んでいては,決して会議は生産的,創造的な場にならない
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図2 情報システムの開発工程で開かれる会議の例
情報システムの開発時に一般的に行われる様々な会議の例を示した(ただし会議の名称や種類の区別は企業によって異なる)。いずれの会議においても,生産的,創造的な議論をせず,単なる「報告と連絡」に終始してしまっている企業が多い
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図3 会議では人の行動を変える「仕組み」が必要
何の仕組みもないと,参加者は会議の効率を下げる行動をしてしまう。仕組みを設けることによって,参加者の行動は変わる
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図4 会議の準備として欠かせない3つのステップ
議題の当事者ではない参加者は,会議の準備をどうしても怠りがちだ。そうした参加者へは,スーパーバイザが徹底的にスーパーバイズ(監督)し,準備を促す。事前準備の習慣ができると会議の時間は飛躍的に短くなる
[画像のクリックで拡大表示]

 あなたは,「会議」に対してどんなイメージを持っているだろうか?「話し合っても無駄」,「言いだしっぺが損をする。黙っている方が得」,「時間がもったいない」…。好ましいとはいえないこんな考えを持つ人は,かなり多いのではないか(図1[拡大表示])。

 もし会議の参加者全員がそう考えていたらどうなるだろう。会議は沈黙が支配し,仮に意見が出たとしても「オレに言わせれば」という,第3者的な立場からの無責任な“評論”ばかりになるかも知れない。ようやく出た提案に対しても,「できない,無理,難しい」といった非生産的な意見のみが浴びせられるはずだ。本や雑誌で自己流で説得術などを身に付けたとしても,こうした雰囲気の中では,おそらく効果を発揮できないだろう。

会議を生産的にする手法

 筆者はよくプロジェクトリーダーやマネジャーから,「入社数年の若い社員たちが会議で発言しない。発言しても曖昧な発言が多くて困っている」と相談されることがある。「何でも自由に発言して欲しい」と伝えはするものの,言われた方は「こんなことを言って大丈夫だろうか?」と戸惑い,黙ってしまう傾向があるというのだ。

 逆説的に聞こえるかもしれないが,多くの日本企業の会議のやり方を見る限り,これはごく自然なことである。自由で活発な発言を期待するなら,それなりの仕組みや仕掛けが必要であるにもかかわらず,誰もそうはしていないからだ。

 こうした状況に対し,筆者らはHTT(Human Transformation Technology)と呼ぶ訓練技術の延長線上で,会議を生産的かつ創造的にする手法を開発。すでに複数のIT関連企業に適用して,成果を上げている。定量的ではないので恐縮だが,実際に複数の企業から「時間を大幅に短縮しながら,議論の活性化や結果の導出が可能になった」という評価を得た。また別の企業の若手は,「会議の意義が分かりました」とコメントしている。

 そこで以下では,筆者が様々な企業で実際に行ったコンサルティング経験をもとに,生産的,創造的な会議を作り出す仕組みを紹介する。決して「王道」と呼べるようなものではなく,事前準備と事後のフォローを中心にした,ある意味で“当たり前”の方法である。また実践には相当の負担を伴う。それでも多くのITベンダーの役に立てていただけるはずだ。

「報告連絡会」は会議ではない

 情報システムの開発プロジェクトでは,様々な会議が開かれる(図2[拡大表示])。ソリューションの妥当性や優位性を検討する「提案書の検討・審査会議」,プロジェクト・メンバーや協力者を策定し,役割や分担を決める「メンバー編成会議」,システム開発に用いる技術の洗い出しや問題点を分析する「技術検討会議」…などだ。

 多くの企業で行われているこうした会議には,共通の問題がある。「報告連絡」しか行わず,何らかの結論を生み出す生産的な場になっていないところが多いのである。参加者同士が様々な観点から互いに質問したり,指摘をすることがなく,一人ひとりが順番に状況報告をしておしまい,という状況に陥っている。このような,「無駄で不毛なやりとり」を延々と繰り返していると,メンバーのやる気を失わせることはもちろんプロジェクトのはたんにもつながりかねない。

 一方,時間の管理に厳しい企業では,進捗状況をただ報告する「報告連絡会」の類を電子メールやグループウエアで代替するなど,できる限り削減している。スムーズに進むプロジェクトの会議には,無駄がないという共通点もあるのだ。

 会議は本来,「課題の発見もしくは解消」,「企画の立案や練り込み」などによって,開催前と比較して何らかの現実的な違いを作る場,機会である。会議とは報告や連絡の場ではなく,皆で何でも話し合い,創造的なアイデアが出る場でなければならないことをまず心して欲しい。

準備段階で成否が決まる

 では一体,どうすれば会議を生産的で創造的な場に変えられるのだろうか。結論を先に言えば,会議前の準備段階,会議当日,会議後の3段階にわたって,様々な仕組みを設けていく必要がある(図3[拡大表示])。中核部分を取り出すと合計で7ステップある。

 特に重要なのが,このうちの準備段階である。会議は開催日よりもずっと前から始まっているものであり,会議の成否はその準備段階で決まるといっても過言ではないほどだ。

 準備段階におけるステップは3つある。(1)会議を開く目的,また日時,場所,参加者などを決定し,関係者にもれなく通知する。(2)当日必要な資料,データなどを洗い出し,準備する。(3)参加者の事前準備に対するスーパーバイズ(監督)を行う,である(図4[拡大表示])。どれも当たり前のことだが,これができていない企業や組織は実に多い。

 まず会議を開く前に,その目的を参加者に周知させる。具体的には,4W2H=「いつ(開催日時),どこで(開催場所),誰が(主催者),何を(目的として),どれくらい(所要時間),どのように(開催方法)」開催するかを参加者に伝える。

 次に必要な資料やデータは何か,誰がいつまでに収集し,どのように参加者に配布するのか,参加者が会議までに準備,用意することは何かを明確にし,参加者と準備担当者に伝える。

 このような準備が整っていないと,当日に会議の趣旨や状況説明に多くの時間を使うことになり,最も必要な「これからどうするか?」を十分話すことがないまま時間切れとなってしまう。また資料やデータが不足していると,感情論や思いつきの議論に終始し,時間を浪費してしまう。

参加者を徹底的に監督する

 準備の手抜きをするのは,人間の習性である。手抜きしようと思わなくても,日常業務の忙しさゆえ準備はおろそかになりがちだ。しかしこれを矯正しなければ,会議は永遠に生まれ変わらない。

 会議当日,参加者に「準備していない」と言わせないためには,準備段階を「スーパーバイズ」することが肝要である。スーパーバイズとは,何かを期限までに約束どおりに必ず実行するよう監督することを指す。スーパーバイザは事前準備の責任者として,主催者とは別に選任することが望ましい。

 参加者に対するスーパーバイズは,会議の目的,日時,場所などの連絡を行った時点からスタートする。会議目的や議題を理解したか,事前資料は届いたか,それらを読んだか,自分の主張をするためのデータを揃えたかなどを,きちんと確認する。

 まだしていないことがあれば実行期限を約束してもらい,会議当日までにすべてを完了するよう監督する。会議当日に「資料を読んでいない」という参加者がいたら,本人の責任だけではなく,スーパーバイザにも責任を負ってもらう。「何度も言ったが,準備してくれなかった」という言い訳は通らない。引き続きスーパーバイザを務めさせ,約束を守らない人へのスーパーバイズを次の会議からの自己課題にしてもらう。

 このようなやり方は最初は誰もが嫌がるし,「年少者は年長者をスーパーバイズしにくい」など,難しく思えることも事実である。しかし筆者は,あえて経験の浅いプロジェクト・リーダーやプロジェクト・リーダー候補にスーパーバイザを務めさせ,スーパーバイズの仕組みを学習してもらうように指導している。

 他人に何かを依頼し,約束をとりつけ,その人が期限までに約束した行動を起こすよう徹底的にスーパーバイズすることは,会議の進め方のみならず,プロジェクトでの交渉折衝や人をマネジメントする方法の学習としても大いに有効だからだ。

 スーパーバイズ・システムは続けるうちに,参加者に事前準備を「しつけ」られるようになる。また「自分がスーパーバイザになる」ことを実感すると,そうでないときも会議に協力的になる。事前準備がチームの習慣になれば,会議時間は驚くほど短くなる。

 次回は会議当日の進め方を説明しよう。


杉江 典昭(すぎえ のりあき)/ビス コーポレーション 代表取締役
米国のコンサルティング会社WEI&Aでの10年間の経験を基にHTT(Human Transformation Technology)を独自に開発し,97年ビス コーポレーション設立。ITベンダーを中心に人材教育を手掛けている。

次回に続く

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