無線ICタグの標準化団体の一つ。ICタグのコード体系や通信技術の確立を主な目的としている。2003年3月に、組み込み系リアルタイムOS「T-Kernel」用のハードやソフトの研究団体である「T-Engineフォーラム」内に設置された。東京大学教授の坂村健氏が率いている。

 同じくICタグの標準化団体である「EPCグローバル」との大きな違いは、ICタグの用途である。EPCグローバルが主にモノの物流管理にICタグを使おうとしているのに対し、ユビキタスIDセンターは、歩行者への交通情報提供や食品のトレーサビリティ、医薬品の副作用情報の提供など多岐にわたる。

 ICタグに書き込むIDも、EPCグローバルが提唱するEPCとは異なる。ユビキタスIDセンターが提唱するIDは「ucode(ユーコード)」といい、コードの長さは128ビット。コードの内容はシリアルナンバーのみである。企業コードや商品コードをシリアルナンバーに組み込むかどうかは、ucodeの利用者が割り当てられた範囲で自由に決定できる。

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本記事は2005年12月26日発行のムック「無線ICタグ活用のすべて」(詳細はこちら!)の記事を基に再編集したものです。