7月8日から9日まで,PostgreSQLの誕生10周年を記念してPostgreSQL Anniversary Summitがカナダのトロントで開催された。
筆者もこのイベントに参加したので,その模様をレポートする。
歴史的なイベントに100名以上の参加者
この歴史的なイベントには89名のPostgreSQL開発者を中心に, 100人以上が集まった。参加者は北米やヨーロッパをはじめ,日本,ロシア, 中国,東欧,トルコなど様々国から結集するという,じつに国際色豊かなイベ ントになった。
ディナークルーズ
筆者はサミット前日の7月7日にトロント入りした。空港からのタクシーが渋滞に 巻き込まれ,ホテルに着いたのが夕方6時30分。あわただしくチェックインをす ませ,近くのホテルから7時出発のディナークルーズチャーターバスにぎりぎり 間に合った。
このツァーはPostgreSQLをベースにした商用パッケージ EnterpriseDBを開発しているEnterpriseDB社がスポンサーとなって開催されたも ので,このオンタリオ湖をめぐるディナークルーズには60人ほどの参加者があっ た。
ちょうど日没あたりの出発だったため,オンタリオ湖に沈む美しい夕陽を見 ることができた。船上は大変な賑わいで,あちこちで開発者同士の白熱した議論 が行われていた(写真1,写真2,写真3)。
筆者はこのディナーパーティーで多数の初対面の開発者とで会うことができた。 メーリングリストでよく見かける本人との出会いはいつも新鮮だ。
写真4の左は米国オレゴン州ポートランドに本拠があり,Linux の生みの親であるLinus Torvalds氏が勤務していることで有名なOSDLのMark Wong氏(中央 筆者)。筆者の勤務先であるSRA OSSは昨年からIPAの事業に協力し,OSDL DBT-3というベンチマークソフトを使ってPostgreSQLの評価を行った(詳細は IPAが公開しているオープンソースソフトウエア評価データベースiPediaで見 ることができる)。
Wong氏はそのDBT-3のメインテナである。DBT-3のバグ修正 をフィードバックすることなどを通じて以前から氏とは交流があり,昨年夏にポー トランドで開催されたオープンソースコンファレンスに参加した際に初めて会っ た。したがって今回は1年ぶりの再会ということになる。
同じ写真の右は,はるばるロシアからやってきたPostgreSQL開発者のOleg Bartunov氏。モスクワ大学に勤務する傍ら,PostgreSQL用の汎用インデックス GiSTを保守している。メーリングリストで活発に発言するロシア人だというこ とは知っており,なんとなく白人のイメージがあったが,見た通り非常に日本 人に親しみやすい顔つきで,非常にエネルギッシュな話し方をするのが印象に 残った。
この他,フランスの開発者のJean-Paul Argudo氏(写真5), pgpoolの開発者の一人でトルコからやってきたDevrim Gunduz氏(写真6)に会うことができた。
またコアメンバーのTom Lane氏と数年ぶりの再会となった(写真7)。