問21. 自分が管理しているネットワークのユーザーから、「自分のパソコンに設定すべき各種アドレスを忘れたので、隣の人の設定を自分のパソコンに真似して設定して良いか」と聞かれた。それに対して「同じにすべき情報と、同じにしてはいけない情報がある」と答えた。以下の選択肢のうち、「同じにしてはいけない」と伝えなくてはならないのはどの情報か。以下の選択肢から一つ選びなさい。なお、この質問をした人は、隣の人と同じサブネットに所属しているとする。

[選択肢]
a. IPアドレス
b. サブネット・マスク
c. デフォルト・ゲートウエイのアドレス
d. DNSサーバーのアドレス
e. プロキシ・サーバーのアドレス

[解説]
 正解は,選択肢aの「IPアドレス」です。

 ネットワーク管理者は,自分が管理しているネットワークのユーザーに適切な情報を指示しなければいけないケースがよくあります。「自分のパソコンにどんなアドレスを設定したらいいのでしょうか?」という質問を受けることはよくあると思います。

 IPアドレスは,IP機器を識別するためのアドレスです。そのため,他人と同じ値を設定すると,IPネットワーク上で正しく通信できなくなってしまいます。WindowsXPでは,自分と同じIPアドレスを使っている機器が同一LAN内にあると,そのIPアドレスはすでにネットワーク上で使われており,別のIPアドレスを設定することを促すメッセージが表示されます(下の画像)。

IPアドレス競合時

 そのほかの選択肢のアドレスは,隣の人と同じでもかまいません。むしろ,通常は,同じサブネット内のユーザーならば同じにすべき情報と言えるでしょう。

 選択肢bのサブネット・マスクは,サブネットの範囲を決める情報です。正しく通信するためには,サブネット内の全ユーザーが同じサブネット・マスクを設定する必要があります。

 選択肢cのデフォルト・ゲートウエイは,自分が所属するサブネットの外のマシンと通信するときにIPパケットの中継を任せるルーターのことです。自分と同じサブネットにいるユーザーの設定値を真似して設定すれば,自分もそのデフォルト・ゲートウエイを使ってサブネット外のマシンと通信できるようになります。

 選択肢dのDNSサーバーと選択肢cのプロキシ・サーバーは,ネットワークを使うユーザーが共有して使うケースが一般的です。そのためこれらのアドレスも,他のユーザーの設定と同じにすべき情報です。