Hewlett-Packard Asia Pacific and Japanの副社長で,エンタープライズ・ストレージ・サーバー事業インダストリ・スタンダード・サーバー製品担当ジェネラル・マネージャのTony Parkinson氏(写真)が,ITproの単独インタビューに応じた。Parkinson氏はIT業界で20年以上の経験を持ち,現在はx86サーバー(HP ProLiantファミリ)を担当する。仮想化への取り組みについて聞いた(聞き手は山口 哲弘=ITpro)。

Hewlett-Packard Asia Pacific and Japan副社長の
Tony Parkinson氏

最近は仮想化に関する技術や製品が次々と登場し,仮想化に関する盛り上がりを感じる。仮想化に対してどのように取り組んでいるか。

Parkinson氏:仮想化は,ITサーバーの利用を改善する重要な要素の1つだと考えている。従来のような1つのサーバー・マシンで1つのOS/アプリケーションを動かすという方法は効率が悪い。これからは,1つのサーバーで複数のOS/アプリケーションを動かすようになる。その際,既存の複数のサーバーを集約するのにも,仮想化技術は強力な道具になる。

 私が担当しているProLiantは,多くのパートナと組んでビジネスを展開している。Intelとは長い間手を組んでいる。AMDに関しては市場のリーダーとしてOpteron搭載機を2年前から出しており,Opteron搭載機は日本でも最近大きく伸びている。このようにCPUメーカーとは親密な関係を持っている。

 一方,仮想化ソフトに関しても同様だ。Microsoftとは以前から深い関係を持っていて最近ではVirtual Serverに対して手を組んでいる。VMwareとは比較的新しい関係だが,緊密な関係を持ってビジネスを進めている。VMware製品が稼働するハードウエアの検証や,VMware製品を利用したシステム構築を手がけている。ほかにもXenなど,新しいパートナが出てきている。Xenは,直接ハードウエアの上で動作する,ベアメタル・タイプのLinux向け仮想化ソフトだ。

 当社が,これらの仮想化技術に対して付加価値を付けるところは,管理ソフトの「SIM(Systems Insight Manager)」である。これはサーバーの各要素を管理するものだ。その上に,各サーバー要素の管理モジュールをプラグインしていく。例えば,仮想マシンの管理用に「Virtual Machine Management Pack」を用意している。これは,仮想マシンの管理に加えて,物理マシン環境から仮想マシンへの移行,そして仮想マシン環境から物理マシンへの移行が可能なツールである。

物理環境から仮想環境への移行支援ツールには,VMwareの「P2V Assistant」がある。競合するツールにならないか。

Parkinson氏:当社のツールは物理環境から仮想環境だけでなく,仮想環境から物理環境への移行もできる。物理環境から仮想環境への移行だけならVMwareのツールでも可能だが,中には仮想環境から物理環境に戻したいという顧客もある。そのようなときに使ってほしいツールで,VMwareのツールと競合するのではなく,補完する関係にある。

 また,複数の管理ツールを使い分けるのではなく,1つで統合管理したいという場合にも使ってほしいツールだ。