概要  
Windowsネットワークで,他のコンピュータのシステム時刻を表示したり,他のコンピュータのシステム時刻を自分自身に設定する。Windowsネットワーク上で利用される時刻同期の設定で,NTP/SNTPといった標準のネットワーク・タイム・プロトコルを使った動作ではない点に注意が必要。

 構文  

Windows 2003/XP/2000:
net time [{\\コンピュータ名 | /domain:ドメイン名 | /rtsdomain:ドメイン名}] [/set [/y]] [/querysntp] [/setsntp:NTPサーバー一覧]

Windows NT 4.0:
net time [{\\コンピュータ名 | /domain:ドメイン名}] [/set [/y]]

Windows 9x/Me:
net time [{\\コンピュータ名 | /workgroup:ワークグループ名}] [/set [/y]]


 利用環境  
Windows 95 ○
Windows 98 ○
Windows Me ○
Windows NT 4.0 ○
Windows 2000 ○
Windows XP ○
Windows Server 2003 ○

 オプション 
(なし)オプションをなにも設定せずに実行すると,ドメイン環境であればドメイン内の信頼できる時刻サーバーから得たシステム時刻を表示する。信頼できる時刻サーバーとしては通常,NTドメインではPDC(プライマリ・ドメイン・コントローラ),Active DirectoryではPDCエミュレータ役割のドメイン・コントローラが選ばれる。ワークグループ環境でオプションを設定せずに実行するとエラーとなる。
\\コンピュータ名コンピュータ名を明示的に指定して実行すると,そのコンピュータから得た時刻を表示する。ドメイン環境では実行しても特に問題はないが,ワークグループ環境では事前にネットワーク経由でのWindows認証を実行しておかないと必要な通信ができずエラーとなる。
/domain:ドメイン名ドメイン環境で,自身にとって直近の信頼できる時刻サーバーから得た時刻を表示する。例えば,Active Directoryでは自身が属するサイト内の信頼できる時刻サーバー,サイトの概念がないWindows NTではPDC(もしくはPDCエミュレータ)の時刻が表示される。このオプションは,ドメインが扱えるWindows NT 4.0,Windows 2000,Windows XP,Windows Server 2003のみで有効。
/workgroup:ワークグループ名「コンピュータがドメインに参加する」という概念がないWindows 9x/Meで,/domainの代わりに使うオプション。Windows NT 4.0で/domainオプションを実行した場合と同様に,ドメイン内でのPDC(もしくはPDCエミュレータ)の時刻が表示される。
/rtsdomain:ドメイン名ドメイン環境で,そのドメイン内での最も信頼できる時刻サーバーから得たシステム時刻を表示する。最も信頼できる時刻サーバーとは,PDC(もしくはPDCエミュレータ)のドメイン・コントローラになる。このオプションは,Windows 2000,Windows XP,Windows Server 2003のみで有効。
/set [/y]参照したサーバーのシステム時刻を,自分自身の時刻として設定する。/yを追加すると,設定の許可を求めるプロンプト画面を表示せずに,即座に設定される。
/querysntpシステムに登録されたNTPサーバーの一覧を表示する。このオプションは,Windows TimeサービスによるNTP/SNTPレベルでの時刻同期が可能な,Windows 2000,Windows XP,Windows Server 2003のみで有効。
/setsntp:NTPサーバー一覧Windows Timeサービスが利用するNTP/SNTPサーバの一覧をシステムに登録する。ドメイン環境ではPDCエミュレータ以外は自動的に時刻同期先のサーバーが決定されるので,この設定は不要。


 使用例1:パソコンの時刻を同期させる(クリックで詳細表示)  
net time /set /y

 使用例2:時刻を同期するNTPサーバーを指定する(クリックで詳細表示)  
net time /setsntp:"NTPサーバー名 NTPサーバー名..."