総合スーパーマーケット(GMS)最大手のイオンと富士通、大日本印刷の3 社は2006年2月6日~3月12日、イオンの「ジャスコ八千代緑が丘店」(千葉県八千代市)の食品売り場において、無線ICタグシステムなどを搭載した「スマートカート」(情報端末を搭載した買い物用カート)の実証実験を行った。

 今回の実験では、商品の特徴や使い方といった商品関連情報をはじめとするさまざまな情報を、買い物用カートに搭載した端末の画面に表示する。これにより、「買い物が便利で楽しくなる顧客サービスの実現を目指す」(イオン常務執行役IT担当の縣厚伸氏)という。

棚札にICタグ、500種類の商品を対象

 今回の実験では個別の商品ではなく、商品の陳列棚に取り付ける値札(棚札)にIC タグを組み込んだ。ICタグは13.56MHz 帯の周波数に対応した製品で、約500アイテムの商品を対象にした(写真1)。棚札の形に加工したICタグを供給したのは、富士通グループの富士通フロンテックである。一方、買い物用カートにはI タグリーダーやバーコードリーダーなどを接続した情報端末を取り付け、実験場所の食品売り場に25 台を導入した(写真2)。同カートはイオンカードの会員やイオンシニアクラブの会員などに貸し出し、実験モニターとして参加してもらった。

写真1 ICタグを組み込んだ棚札(円内)

写真2 情報端末を搭載したスマートカート