FMC用電話番号やインターネット電話への転送方法を整理

 IPネットワークが全盛となる今後、ネットワークの使い方,サービスが大きく変わっていく。音声やデータ、画像/映像が混在し、あるいは、固定と移動/無線がシームレスにつながるなど、通信が多様化する。こういった動きを受けて、総務省の「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」(番号研)は、IPネットワークに向けて電気通信番号のガイドラインをまとめた。たとえば、固定通信と移動通信が融合するサービス「FMC(Fixed Mobile Convergence)」用の電話番号を「060」などとする。

 電話番号(電気通信番号)は、通信する相手先を指定する、あるいは発信元を明確にするためのユニークな情報である。とはいえ、単にユニークであればいいわけでない。たとえば、「03-XXXX-XXXX」ならば東京の固定電話、「090-YYYY-YYYY」ならば携帯電話という具合に、番号体系自体に意味を持たせてある。

 そのため,FMCのようなサービスには,どのような番号を割り当てればいいのかを検討する必要がある。FMCは,固定通信と移動通信を融合するサービスであり,そのときどきで,場所や端末が異なってくるからだ。

 番号研では,このFMC用の番号のほか,インターネット電話への転送での番号の使い方や行政機関への問い合わせ番号について取りまとめた。総務省は2006年度内にも,省令改正などの手続きに入る。

 FMC用の電話番号として新たに「060」番号の使用を認める(図1)。また,IP電話で使う「050」、携帯電話で用いる「080/090」、PHSの「070」も使えるようにする。 FMCでは同じ番号で電話しても,相手が携帯電話の場合や固定電話の場合がある。つまり,通話料金が異なる可能性がある。また,相手がいる場所が決まっていない。

図1 FMCでは「060」,そして携帯電話などの既存番号を使う
図1 FMCでは「060」,そして携帯電話などの既存番号を使う
同じ電話番号でいろいろな場所や端末に接続するのがFMCサービスである。

 このため,従来とは違ったサービスであるため,060というこれまでにない番号体系を使う。その一方で,FMCは従来の固定電話や携帯電話の拡張サービスという意味合いも持つため,ユーザーの利便性を考えて,携帯電話やIP電話などの番号も使えるようにする。

 加入電話網からSkypeなどのインターネット電話への転送は、いったんゲートウエイに着信させ,インターネットへの転送の旨のガイダンスを流すことにする(図2)。インターネット電話は,IP電話サービスと違い,一定以上の音声品質が担保されているわけではない。ユーザーにあらかじめ音声品質が落ちる可能性があることを知らせるためである。

図2 インターネット電話への転送
図2 インターネット電話への転送

 このほか,通信事業者の競争上の観点から、FTTHサービスの営業用電話番号として「116」など3けたの1XY番号ではなく、フリーダイヤルなどの着信課金サービス用番号を用いる。

 市町村や都道府県が設置したコール・センターなどへの行政用問い合わせ番号として、「1XY」のような3けたの番号を付与することも定めた。