固定電話網の後を担うIP網がNGNである。その設計をどうすればいいか,ETSIやITU-Tで標準化作業が進行中。これからどういうサービスが実現するのかも,この標準化に大きく左右される。

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 「交換機網の次のIP網」がNGN(next generation network)。米シスコシステムズが「IP NGN」を標榜しているように,ベンダー,事業者それぞれのNGNがあるが,それを標準化しようとする動きが活発化している。既にIP化に向かって舵を切ったBTやNTTも,これらの標準化動向をにらみながらIP化を進めている(別掲記事「FTTHで必要な仕様をITUに提案」を参照)。

 NGNの標準化には様々な団体がかかわっている。中心はETSI(欧州電気通信標準化協会)のプロジェクトTISPAN*1と,ITU-TのFGNGN*2。TISPANはNGN標準化の先駆けであり,TISPANより一歩遅れて始まったFGNGNは,TISPANと連携しながら独自の仕様を加えようとしている。

 そこでこの座談会には,これら2標準化団体の代表に加え,業界団体のマルチサービス・フォーラム(MSF),テレマネジメント・フォーラム(TMF)のチェアパーソンあるいはそれに準じる人を招いた。

 MSFはTISPANやFGNGNの標準を実際に製品にする際の細かい仕様などを決めていく役割を果たす。TMFはネットワークの管理やユーザーの管理・課金など,実際に通信事業者がNGNをサービス提供に使うときに不可欠な管理用アーキテクチャを定める団体だ。

NGN標準化と座談会に登場した団体の関係
ETSIのTISPANとITU-TのFGNGNが中心になって標準化が進んでいる。マルチサービス・フォーラムは機器実装向けの仕様を補完的に定め,テレマネジメント・フォーラムはNGNに応用可能な管理体系としてNGOSSを策定している。 [画像のクリックで拡大表示]
NGN標準化と座談会に登場した団体の関係