筆者紹介 佐藤徳之(さとう・とくゆき) マーシュジャパン ディレクター、シニアバイスプレジデント。1989年に入社以来、日本、米国において企業のリスクマネジメント構築に従事。マーシュジャパンは、リスクマネジメントおよび保険関連サービスを提供する世界最大手企業である米Marsh Inc.の日本法人。2004年度情報化推進国民会議専門委員。 |
欧米では、効率的で効果的な電子行政を成功させている自治体がいくつもある。そうした自治体では、しっかりとしたリスクマネジメント体制が構築されている点に注目すべきだ。今回は、欧米の中でも、特に電子政府化がかなりのスピードで進んでいる英国の例を取り上げてみたい。
英国政府は2002年度から、電子政府の推進を加速させるため、副首相(Office of the Deputy Prime Minister)が中心となって、補助金を受け取るための重要な申請書であるIEGステートメント(Implementing Electronic Government Statements)のガイドラインを打ち出した(IEGの最新サイトはこちら)。各自治体が電子政府推進のための補助金を申請し、一自治体当たり20万ポンド(約4000万円)を政府から受け取るためには、下記の要件が必要である。
- 電子政府に関するビジョン及び戦略
- 電子政府を通じて提供されるサービス内容の優先順位
- 過去1年間の進捗状況と将来の計画に対しての自己査定
- 今回の補助金の使用目的に関する財政計画
(過去に同様の補助金を受領していればその用途も付け加える) - リスクアセスメント
(マトリックス形式の詳細分析と具体的な対応策)
このうち5.のリスクアセスメントについて、要求される内容は以下の通りである。これらの要求事項を満たさない場合、再提出を求められる。国民の税金がきちんと効率良く使われることを担保するために、必要不可欠な要素である。
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