ファイルを個人どうしで共有(シェア)する「AllPeers」が間もなく公開される。BitTorrentの技術を採用して,画像,映像,文書などのファイルをインターネットを介して共有できる。不特定多数のユーザーが利用するP2Pや,これまでのBitTorrentを使用するファイル交換ソフトウエアと違い,あくまでも個人の間でのファイルのやりとりを実現するものだ。Firefoxブラウザの拡張機能として作られており,Firefoxのキラー・アプリケーションになるとの評判が高い。

 ALLPeersをインストールすると,図1のボタンがFirefoxのツールバーに追加される。


図1●ALLPeersをインストールするとFirefoxに追加されるボタン

 ファイルを共有するには,まず「Add a Contact」ボタンであらかじめ分かっているユーザーの名前を入力する(図2)。


図2●ファイルを共有するユーザーを指定する
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 次に,画面右側にある「Add Folder」または「Add File(s)」で,共有したいファイルやフォルダを指定する(図3)。画面右側上部にあるのがこちら側で共有するべく指定した画像ファイル。真ん中は相手が共有設定したファイルである。「An Experience to Make…」はmp3ファイル。それ以降は画像ファイル。メッセージが一番上の段に表示されている。Webサイトをシェアすることもできる。


図3●共有するファイルやフォルダを指定する
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 ファイルを転送する際は,暗号化される。共有を指定してから相手にその情報が表示されるまで,しばらく時間がかかる。転送速度は双方の接続環境で異なるが,実際に米カリフォルニアのユーザーから14Mバイトのファイルを受信すると,数分ではなく,相当な時間がかかった。

 AllPeersのCEOであるCedric Maloux氏は,「最初の公開バージョンは無料だが,2007年初頭の公開が計画されているバージョン2では有料化する予定である」としている。

 さらに,著作権侵害の可能性について同氏は,「AllPeersは,違法ファイルの交換についての警告を表示し,著作権侵害の恐れのあるファイル交換を抑制する」と述べた。「AllPeersについての説明をレコード会社などにしているが,違法行為はあくまでもユーザーの責任であることを納得していただいている」とも語った。

■追加情報
本文中,「2007年初頭の公開が計画されているバージョン2では有料化する予定である」とありますが,2006年7月13日,AllPeersのCEOより「2007年初めにユーザーがファイルを販売できるようにする。AllPeersは無料であり続ける」とのコメントをいただきました。
[2006/07/13 20:30]