イベントレポート「第2回日米自治体CIO会議」

■米国アリゾナ州フェニックス市の郊外にあるリゾート地スコッツデールは、わが国の自治体IT関係者にとって記念すべき地名になるかもしれない。同地の、敷地内に巨大なサボテンが点在するキャメルバック・イン会議場で、第2回日米自治体CIO会議が9月8日に開催された。都道府県のCIO(最高情報責任者)代表が初めて米国の各州CIOおよび企業人をまえにプレゼンテーションを行い、両国の自治体CIOの定期交流に幕が切って落とされた。

取材・写真/石川幸憲

石川幸憲氏写真
石川幸憲(いしかわ・ゆきのり)

1950年生まれ。南イリノイ大博士課程(哲学)修了。ペンシルベニア大博士課程(政治学)中退。南イリノイ大、ペンシルベニア大客員講師、AP通信記者、タイム誌特派員、日経国際ニュースセンターニューヨーク支所長等を歴任。21世紀政策研究所プログラム・オフィサー(研究総括)および研究主幹を経て、2002年10月より在米ジャーナリストとして独立。
e-mail:ishikawamrto@aol.com


■会議レポート~米国側は日本の携帯電話の情報提供に興味~

 全米州CIO協会(NASCIO)の年次会議初日の昼食会。8月末に設立された「都道府県CIOフォーラム」の会長、佐々木浩氏(岐阜県知事公室長)がフォーラムの設立経緯を説明し、今後は両国の自治体CIO組織が定期的に交流し、電子政府の推進に向けてコラボレーションを進めることを提案した。450人以上の参加者(州CIOは44人)で満席の会場は、佐々木氏の英語でのスピーチへの拍手喝采でつつまれた。

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■会議を終えて~都道府県CIOフォーラム会長 佐々木浩氏~

 これからは米国の州CIOとのつき合いが個人的レベルではなく組織的にできるようになる。その中で、州CIOが抱えている問題意識と都道府県のCIOが抱えている問題意識が微妙に違うことが、分かってくるだろう。今回のプレゼンテーションでも、日本の場合には、インフラ整備の話がすぐ出てくるが、そういった概念は米国には全くないわけだ。

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■会議を終えて~NASCIO会長 ジェリー・ウェシントン氏~

 今回のプレゼンテーションで明らかになったことは、日米のアプローチの違いだ。日本の視点はインフラ重視で、インフラが整備されれば行政サービスが追いついてくるという考え方だが、われわれはこのアプローチに懐疑的だ。米国では、どのようなサービスが提供されるべきかに重点がおかれている。これからやるべきことは、双方のアプローチの長所をまず評価することだ。

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都道府県CIOフォーラム