自分Linuxの構築準備

 自分Linuxの仕様がある程度決定した。次に,自分Linuxの構築に必要なものをそろえていこう。

(1)自分Linux開発マシン
(2)自分Linux稼働マシン
(3)基になるLinux
(4)自分Linuxのソフトウエア

 主に以上の4つだ。

(1)自分Linux開発マシン


表1 筆者が用いた自分Linux開発マシンの主な仕様
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写真4 USB接続カード・リーダー
コンパクトフラッシュ,スマートメディア,SDカードなどの読み書きができる。

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写真5 「TuxFinder」(http://www.tuxfinder.com/packages/)
Linux関連のソフトを検索できるサイトである。

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 USBポートを備える,手持ちのPCで構わない。ちなみに,筆者の自分Linux開発マシンの仕様は表1[表示]の通り。最近のPCであれば,もっと高いスペックだろうから,ほとんど問題ないだろう。

 注意しなければならないのは,あまり新しいチップセットやグラフィックス・カードを搭載したPCだと,Linuxがそれらハードウエアをうまく認識できないという点だ。ただし,その場合でも今回はコマンド・ラインによる開発が中心であるため,さほど問題にならないと思われる。

 また,コンパクトフラッシュから起動する自分Linuxを作成する場合は,USB接続のカード・リーダー(写真4[表示])を用意しておくと便利だ。

(2)自分Linux稼働マシン

 自分Linux稼働マシンも手持ちのPCで構わない。なお,前述した通りUSBメモリーを用いるためには,USBインタフェースからOSを起動可能なPCを選択しよう。

 繰り返しになるが,筆者は先ほどの別掲記事に示した静音PCとノートPC「Think Pad T30」を用いた。前者がコンパクトフラッシュ用であり,後者がUSBメモリー用だ。

(3)基になるLinux

 基になるLinuxは開発マシンに導入し,自分Linuxを構成するソフトウエアのコンパイルおよび,各種設定ファイルを参考にするためなどに用いる。今回は,Linuxカーネル2.4を採用している最新Linuxディストリビューション「Vine Linux3.1」を利用した。

 Vine Linuxは,日本語環境がしっかり整ったディストリビューションである。Vine Linuxの公式サイト(http://vinelinux.org/)およびそのミラー・サイトからインストールCDのイメージを入手できる。

(4)自分Linuxのソフトウエア

 自分Linux作成に必要な主なソフトウエアは表2の通りである。ここで示したソフトウエアは必ずしも最新のバージョンとは限らない。なぜなら,筆者が動作確認を取りながら選定したものだからだ(セキュリティの観点からは,最新版を使用することをお勧めする)。なお,本講座を進めていくうちに,このほかにも必要なソフトウエアが発生した場合には,随時追加していく。

 これらソフトウエアは,「TuxFinder」のWebサイト(http://www.tuxfinder.com/packages/)から入手可能だ(写真5[表示])。