第1回 ハードに依存せず,高い独立性が実現できる仮想マシン技術
 現状のIT環境を見ると,IT技術が現れては消え,その複雑さは増すばかりでなく,技術のライフ・サイクルも短縮されており,その変化のスピードは速い。このようなIT部門を取り巻く現状の中,仮想化技術が注目を集めている。メインフレームだけでなく,オープン系のハイエンド・サーバーへの適用が進み,IAサーバー向けの仮想化ソフトも充実してきており,その利用に弾みがついてきている。

第2回 仮想化技術の利点と導入に必要な準備
 一般論として,仮想化技術を導入する背景を考えてみよう。従来のIT環境では,新たな業務やサービスが増えるたびに,次々とシステムの拡張やサーバーの増設が繰り返されてきた。この結果,多種多様なサーバーが乱立し,複数のOSやミドルウェアの,しかも複数のバージョンが存在する状況を招いてきた。当然,各々の環境ごとにハードウエアのメンテナンス,OSやパッチの管理といった様々な作業が発生していた。

第3回 仮想化技術を活用したITILの実践
 ここ数年,日本でもIT運用管理の効率化を目的に,ITIL(Information Technology Infrastructure Library)を積極採用する企業が増えている。その多くはITサービスの安定提供を目的とし,インシデント管理をはじめとした,運用の標準化,手順書の整備,サービス・デスクを支援するツールのために導入するのが代表的である。ここでは,仮想化技術がITILの実践に非常に効果的な技術であることについて解説する。

第4回 仮想化によるサーバー集約でIT利用効率を向上
 IT部門の重要な課題の1つとして,ITコストの削減が挙げられる。IT部門は限られた予算の中で継続的に品質を向上させ,リスクに対する対策を講じ,ビジネスの変化に柔軟に対応しなければならない。この厳しい要求に応えるため,IT部門では様々なコンソリデーションに取り組んでいる。ここでは,仮想サーバー技術を効果的に活用したコンソリデーションについて考えてみたい。
図4