中村 年宏(なかむら・としひろ)
株式会社 豆蔵勤務のシステムエンジニア。

 Enterprise JavaBeans(EJB)は,Javaのエンタープライズ向けコンポーネントの標準仕様です。ただ,EJBと聞くと「複雑で使いこなすのが大変な技術」という印象を持っている人が多いでしょう。確かに,従来のEJBはまさにそんな技術でした。利用するには煩雑な設定ファイルをいくつも書かなければならず,多くの規約を覚えていなければ簡単な作業すらままならない,それがEJBでした。

 しかしこれからは違います。2006年初めにリリースの新バージョン「EJB 3.0」には,従来のEJBの複雑さを反面教師として大幅な改良が加えられています。「使いやすさ」を最重視し,EJBを利用する開発者の手間を大幅に削減したのです。このようにEJBが「使える技術」に生まれ変わる今こそ,EJBの勉強を始めるのに絶好のタイミングです。

 そこで日経ソフトウエアでは,「EJB 3.0入門記」で有名なブログ「taediumの日記」の筆者である中村年宏さんに,3回にわたってEJB 3.0について解説していただくことにしました。この連載を読めば,もうEJBはこわくありません。

第1回 複雑さを捨てて使いやすさに徹したEJB 3.0

第2回 インターセプタの利用とトランザクション制御の容易さを体感

第3回 Java標準のO/Rマッピング機能「Java Persistence API」

下記のURLから,本記事のサンプル・プログラムをダウンロードできます。

●第1回のサンプル・プログラム
●第2回のサンプル・プログラム
●第3回のサンプル・プログラム

 ただしこのサンプルプログラムは執筆時の情報に基づいていますので,最新版のEJB3.0を使うと,そのままでは正常に動かない部分があります。ご了承ください。