入力メソッドの「XIM」と「IIIMF」

 Xで日本語入力を行うには,Xの入力メソッドを利用してCannaサーバーにアクセスする方法と,アプリケーション(クライアント)から直接Cannaサーバーにアクセスする方法があります。

 入力メソッドには,X上に実装されたXIM(X Input Method)と,Xに依存しないIIIMF(Internet Intranet Input Method Framework)などがあり,両方ともクライアント/サーバー方式で日本語入力が可能です。Fedora Coreのデフォルト設定の入力メソッドはIIIMF,Vine Linuxのデフォルトの入力メソッドはXIMです。

 XIMでは,Cannaサーバーに漢字変換を依頼するソフトウエアが必要になります。日本語入力を行うXクライアントから見ると,Cannaサーバーに処理を依頼するのではなく,このソフトに処理を依頼する恰好になります。このソフトの代表格が,「kinput2」です。

 kinput2は,CannaとWnnのいずれの漢字変換サーバーにも対応しています。既に利用しているkinput2の状態を確認するには,「-version」オプションを指定して,kinput2コマンドを実行します。

この実行例からは,WnnとCannaの両方に対応していることが分かります。

 Vine Linuxでデスクトップ環境のGNOMEが動いている場合には,kinput2は自動的に起動してます。明示的にkinput2を起動したい場合には,オプションで漢字変換サーバーを指定します。Cannaサーバーの場合は「-canna」,Wnnサーバーでは「-wnn」です。従って,Cannaサーバーを指定するには,


写真4 geditで日本語を入力する
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表1 Cannaで主に利用するキー操作とその内容
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と入力します。kinput2はバックグラウンドで動きますので,コマンドの最後に「&」を付加するのを忘れないようにします。

 入力メソッドIIIMFでCannaサーバーに漢字変換を依頼するソフトウエアがhttです。Fedora Coreの標準設定では自動起動されます。念のため,確認してみましょう。Fedora Coreで入力メソッドXIMを利用することも可能です。この場合には,システム管理者権限で「アプリケーション」→「システム設定」→「入力メソッド選択」を実行し,「高度な設定」にチェックマークを付けて,「入力メソッド」欄でXIMを選択します。

 日本語入力ができるクライアントには,端末エミュレータやWebブラウザ(Firefox等)などがありますが,ここではgeditでの入力例を示しましょう。まず,geditを起動します。日本語入力を有効にするには,Shiftキーとスペース・キーを同時に押します。すると,画面上に[あ]が表示されますので,ローマ字で日本語を入力します。漢字変換実行中は[漢字]の表示に変化します(写真4[表示])。

 最後に,Cannaで主に利用するキー操作とその内容を表1[表示]に示します。これらのキー操作を覚えて,自在にCannaを使えるようにしましょう。

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