コマンドと対話しながら使える

 DNSはドメイン名とIPアドレスの対応関係を管理するしくみだけだと考えがちだが,DNSサーバーにはそれ以外の情報も格納されている。例えば,ドメインを管理しているDNSサーバーのアドレスや,ドメインあてに届くメールを受信するメール・サーバーはどれかといった情報だ。

 ただ,ここまでで紹介したnslookupコマンドの使い方だけでは,こうした情報は検索できない。実は,nslookupコマンドには,1行のコマンドを指定してその結果を表示するだけでなく,対話形式に処理を進めていくモードがある。この対話型モードを使うことで,DNSサーバーが管理しているさまざまな情報が検索できるようになる。

 それにはコマンド・プロンプトを開いて,

nslookup

図3 nslookupコマンドには対話型モードがある
コマンド・プロンプトから「nslookup」と実行すると,対話型モードに入る。

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とだけ入力する(図3[拡大表示](1))。すると,nslookupコマンドが起動し,問い合わせに使うDNSサーバーの名前とIPアドレスを表示するとともに,コマンド入力待ちのプロンプト( > )が表示される。

 ポイントは,プロンプトが表示されたあとに入力する文字は,すべてnslookupコマンドに対する指示になる点。ひとたびnslookupコマンドを起動したあとは,exit(イグジット)コマンドを入力するか((4)),Ctrl(コントロール)+C*キーを押して明示的にコマンドを終了しないかぎり,対話形式で作業が進む。

 例えば,図1と同じようにwww.example.comに対応するIPアドレスを調べるときは,nslookupのプロンプトが出ている状態で,

www.example.com
と打ち込む(図3(2))。こうすれば,図1(1)の実行結果とほぼ同じ表示が出る。同様に210.145.117.79というIPアドレスに対するドメイン名を調べるには,
210.145.117.79
とだけを打ち込む(図3(3))。

覚えておきたいsetコマンド

 正引きと逆引きだけしか使わないのなら,nslookupの対話型モードでも打ち込む文字列はドメイン名やIPアドレスだけである。しかし,DNSサーバーやメール・サーバーの情報を引き出すには,別のコマンドが必要になる。


表1 nslookupコマンドの対話型モードで利用する主なコマンドとオプション
対話型モードで「help」または「?」と実行すれば,すべてのコマンドとオプションが表示される。

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 表1[拡大表示]に載せているのは,そうしたオプション・コマンドの一部だ。実際には,プロンプトが出ているところで,「help」あるいは「?」と入力すると,利用できるすべてのオプション・コマンドと書式が表示される。

 ただ,nslookupの基本的な使い方をマスターするうえで,必要なコマンドは表1を押さえておけば十分だ。ほかのオプション・コマンドは,必要なときに調べればよい。

 表1に挙げたオプション・コマンドのうち,とくにsetコマンド(+typeオプション)はよく使うので,ぜひ覚えておこう。