あなたの会社ではどれだけの数のキーワードを出稿しているだろうか。そして、そのキーワードのうち、果たしてどれぐらいのキーワードがコンバージョンに結びついているだろうか。

 通常、キーワードの作成フローは、各企業の主力商品・サービスに関わるビッグキーワードを選択し、それを元にキーワードアドバイスツールを用いながらミドルキーワード、スモールキーワードと細かなキーワードを追加していく。しかし、このような作業を続けていると、キーワードは得てして思いがけないほどの数になる。そして、それらのキーワードのうちどこまでが必要であり、コンバージョンに結びつく効果を生み出せるのか思い悩むはずだ。

 そこでまず、ロングテール現象と呼ばれるものから考えてみたい。ロングテール現象とは、例え単体では売上高の少ない商品であっても、その商品が多く集まることにより、全体の売上高の多くを占めるようになるという考え方である。

 スモールキーワードを多く出稿することによりリーチが広がり、コンバージョンに結びつく可能性は増加するといわれる。一方、当然のことだが、それに伴うコストも発生する。確かにスモールキーワードは競合企業が少ないため、クリック単価を抑えられる可能性も高いが、仮にコストをロングテール現象で見ると、塵も積もれば山となっているかもしれない。安易に単価が安いからといって、戦略性の乏しいスモールキーワードの大量出稿は失敗に終わるケースが多い。

 こうした際には、まずキーワード別のコンバージョン数を見ることが賢明だ。限られたキーワードのみがコンバージョンに結びついているだろうか。それとも、スモールキーワードが多く集まり、全体のコンバージョン数の大半を担っているだろうか。まず、コンバージョンに結びつくキーワードを把握しなければ、限られたコストを配分しながら最大限の効果を得ることは難しい。

 そこで、ログ解析を行い、ユーザが自社サイトに対してどのようなキーワードで訪問し、最終的にコンバージョンにいたっているのかを把握する必要がある。ネット検索活動が、メールに続きウェブ利用活動の第2位になった現在、ユーザの検索リテラシー(習熟度)は飛躍的に向上しており、企業側が想像するキーワードのみでは、潜在顧客を囲い込めなくなってきている。

 自社サイトが果たしてどれ程のテールの長さをもっているのかを知り、ロングテールに注力するのかそれとも従来どおりの20:80の法則(パレートの法則)通りに対策をするのか、今後はじっくりと検証する必要があるだろう。


(アウンコンサルティング コンサルティンググループ 高須賀敬)





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