●名称:SUSE Linux 10.1 OSS
●提供元:The openSUSE project
●URL:http://www.opensuse.org/
●対応機種:PC AT互換機やPowerPC搭載機

 SUSE Linuxは,米Novell社が開発・提供しているLinuxディストリビューションです。特に北米や欧州などでは,コンシューマ市場やエンタプライズ市場を問わず,幅広い用途で利用されています。

 SUSE Linux 10.1 OSSは,Novellがソース・コードを公開し,openSUSEプロジェクトが主導するコミュニティ・ベースで開発されています。「Red Hat Enterprise Linux」と「Fedora Core」の関係でいえば,Fedora Coreに相当するのが,SUSE Linux 10.1 OSSです。openSUSEプロジェクトで開発されたディストリビューションが,製品版のSUSE Linuxのベースとなっています。

 SUSE Linuxの特徴は,「YaST」と呼ばれる独自の管理ツールを備えていることです。YaSTではパッケージのインストールやアップデート,ハードウエアやシステムの管理が可能です。またGUI環境では,YaSTをグラフィカル・ユーザー・インタフェースに対応させた「YaST2」が利用できます。YaSTと同様にパッケージからハードウエア環境までを管理できます。

 SUSE Linux 10.1では,X Window Systemをグラフィックス・カードのアクセラレーション機能を利用して快適に操作できる新しいGUI環境「Xgl」が利用できます。Xglをインストールすれば,透明化処理や3次元効果を使ったデスクトップ環境が実現できます。

 本インストール・ガイドはSUSE Linux 10.1のインストールDVD(日経Linux2006年7月号付録DVD-ROM)を用いた導入方法を紹介します。本ページの記事および画像は,SUSE Linux 10.1 OSSのリリース候補版を利用していますが,正式版でも同様にインストールが行えます。


SUSE Linuxをインストールする際の注意点

 SUSE LINUX 10.1 OSSを利用する前に以下の3点を確認してください。

 (1)まずDVD-ROMから起動するようにパソコンのBIOSを設定します。BIOSの設定方法はパソコンやマザー・ボードに付属しているマニュアルを参照してください。また,DVD-ROMから起動できない場合は起動フロッピ・ディスクとモジュールの入ったフロッピ・ディスクを作成し,それを使って起動します。フロッピの作成方法は付録DVD-ROMの「boot/README」を参照してください。また,フロッピのイメージは付録DVD-ROMの「boot」ディレクトリ,Windows環境で起動ディスクを作成するプログラムは「dosutils」ディレクトリにそれぞれ格納してあります。

 (2)WindowsとLinuxをインストールしておき,起動時に利用するOSを選択するには,あらかじめWindowsの起動ディスクを作成しておくことをお勧めします。Linuxのインストールが正常に終了しなかったとき,Windowsを立ち上げるには起動ディスクが必要になる場合があります。

 Linuxを削除してWindowsだけが起動する環境に戻すときには,ハード・ディスクの先頭領域にあるMBR(マスター・ブート・レコード)に,Windowsを起動するプログラムを書き込む必要があります。それには,Windowsの起動ディスクを使って起動し,コマンド・プロンプトで「fdisk /mbr」コマンドを実行します。Windows2000/XPの場合は,Windowsのインストール・ディスクから,Windows回復コンソールを起動して「fixmbr」コマンドを実行します。

 (3)パソコンによってはSUSE Linux 10.1 OSSの機能すべてを利用できない場合があります。例えば,比較的新しいネットワーク・カードや無線LAN機器,テレビ・チューナなどは利用できないことがあります。各ベンダーがLinux用ドライバを用意している場合がありますのでそちらを個別にインストールしてご利用ください。