下位のエディションでも使い切れる
つまり複数のプログラム/スレッドの同時実行性能が向上するという点で,デュアルコア・プロセッサを利用したシステムは,従来のデュアル・プロセッサ・システムと同様な特徴を備える。もちろん,デュアルコア・プロセッサを複数個使って,デュアル・プロセッサ・システムや4プロセッサ・システムを構築することも可能だ。
ここで問題になるのは,Windowsが対応するCPUの数である。エディションによって対応するCPUの最大個数が決まっている。例えば,Windows XP Home Editionは1個,同Professionalは2個,Windows Server 2003 Standard Editionは4個である。それでは,2つのコアを備えるPentium DのシステムでWindows XP Home Editionを動かした場合,1つのコアしか利用できないのだろうか。
マイクロソフトは,Windowsが対応するCPUの数とはソケットの数を意味するとしている。つまり,Pentium DのシステムにはCPUのコアは2つあるが,ソケットは1つなので,Windows XP Home Editionでも2つのコアの機能を使える。
実際,Pentium DとPentium Extreme EditionのシステムにWindows XP Home Editionをインストールして,タスク・マネージャとデバイス・マネージャを表示したところ,2個分(Pentium Dの場合),あるいは4個分(Pentium Extreme Editionの場合,ハイパースレッディング利用時)のCPUが認識されていることが確認できた(図4)。

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図4●Windows XP Home Editionのタスク・マネージャとデバイス・マネージャ
(a)Pentium Dの場合。2つのCPUとして認識されている。(b)Pentium Extreme Editionの場合。4つのCPUとして認識されている。 [画像をクリックすると拡大]
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これに対して,デュアルコアOpteronを2個使ったデュアル・プロセッサ構成システムでWindows XP Home Editionを動かした場合は,4個の論理CPUのうち,2個しか認識しない(図5a)。システムにCPUが2個しかないわけではないことは,同じシステムでWindows XP Professionalを動かすと4つのCPUが認識されることからも確認できる(図5b)。

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図5●デュアルコアOpteronのデュアル・プロセッサ・システムでのタスク・マネージャとデバイス・マネージャ
(a)Windows XP Home Editionの場合。1ソケット分の2つのCPUしか認識されていない。(b)Windows XP Professionalの場合。2ソケット分の4つのCPUが認識されている。デバイス・マネージャには4個分のCPUが表示されるべきだが,2個しか表示されない原因は不明。 [画像をクリックすると拡大]
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以上のことから,実機でも「Windowsの対応するCPUの数はソケットの数である」ことが確認できた。今回はクライアント用Windowsで確認したが,サーバー用Windowsでも同じだ。つまりデュアルコア・プロセッサを使えば,4CPUまでしか対応しないWindows Server 2003 Standard Editionで,8CPU相当以上のシステムを稼働できるわけだ。
従来の8CPU以上のシステムを動かすには,Windows Server 2003 Enterprise Editionが必要だった。だが,Enterprise Editionの価格は71万9000円(25CAL付き)と,Standard Editionの17万6000円(5CAL付き)に比べて高い(いずれも推定小売価格)。もちろんEnterprise Editionは,Standard Editionよりも対応する物理メモリー容量が大きく(Standard Editionは4Gバイト,Enterprise Editionは32Gバイト),Standard Editionにはないクラスタリングなどの機能も備えている。
だが,物理メモリー容量については,x64 Editionを使うことで,Standard Editionでも32ビットのEnterprise Editionと同じ32Gバイトまで利用できる(デュアルコア・プロセッサはすべてx64に対応している)。アプリケーション・サーバー(Webサーバー)のようにCPUの性能だけが必要だというときもあるだろう。そういう場合にデュアルコア・プロセッサを利用すれば,システムの導入コストを下げられる。
CPUライセンスもソケット単位
Windowsのライセンスは台数当たりで決まるので,デュアルコア・プロセッサにしても,Windowsのライセンス料が高くなることはない。ただ,サーバー製品の中には,CPUライセンスを採用しているものがある。例えばSQL Serverなどだ。CPUライセンスを採るサーバー・アプリケーションのライセンスは,デュアルコア・プロセッサではどのようになるのだろうか。
マイクロソフトは,CPUライセンスをCPUのソケット単位で数えるとしている。つまり,デュアルコア/シングル・プロセッサのシステムであれば,1CPUライセンスで済むと言うことである。
ほかのサーバー・アプリケーション・メーカーも,同様な見解の場合がある。ソフトウエアのライセンス料の点でも,デュアルコア・プロセッサを採用したシステムは,費用対効果の上で有利である。
日経Windowsプロ2005年8月号掲載