第12回　再生した音楽の情報を共有するLastFM

　インターネットが普及する前は，ラジオやテレビが新しい音楽を発見する最良のメディアであった。最近ではインターネット・ラジオ局が登場し，従来の放送では不可能だった機能を利用し，新しい音楽リスニング・スタイルを楽しむことができる。

　LastFMは，（1）ユーザーが再生したすべての音楽のリストを作成する，（2）これらの曲に似た曲を推薦してくれる，（3）同じような音楽嗜好を持つほかのユーザーと出会うことができる，という特徴があり，人気を集めている。すべてのユーザーがどの曲を聴いたかのランキング・チャートも表示できる。

　ユーザー登録し，LastFMのサイトで音楽を再生すると，Profile Pageに再生リストが生成される（図1）。

　Audioscrobblerというプラグインを使って，Windows Media PlayerやWINAMP，iTunesなどの音楽再生ソフトウエアで再生したすべての曲の情報をLastFMに送信することが可能である（図2）。

　さらに，YamiPodやiscrob2を使うとiPodで再生した音楽を保存し，PCからLastFMに再生した音楽の情報を送信することができる（図3～5）。

　SlimdevicesのSqueezeBox（インターネット・ラジオ受信再生装置。本連載第11回を参照）で音楽再生する場合も，SlimServerと連携してLastFMに再生した音楽の情報を送信することができる（図6）。

　LastFM専用の再生ソウトウエア「LastFM Player」も用意されている。LastFM Playerを使って，自分のプロファイルにカスタマイズされた局を聴いたり，LastFMが推薦する局を聴くことができる。アーティスト独自の局を聴くこともできる。

　LastFMのトップページの「Radio」を選択する。図7の画面で例えばクラシックを探すには，「Find tags」欄に「classical」を入力して検索する。すると，「Classical music」が表示される（図8）。「Opera」タグをクリックすると図9が表示される。

　図9にある「Global Tag Radio」をクリックするとOperaと関連づけられた曲が再生される（図10）。例えば「Maria Callas」を再生するまでには，何回か操作を繰り返す必要がある。

　ここで「Maria Callas」をクリックすると，Maria Callsの曲のチャートを見たり，レコード会社が提供したプレビューを聴くことができる（図11）。

　LastFMはユーザーの再生した曲のリストから，別の曲を推薦してくれる（図12）。

　Usersのページで，ほかのユーザーを名前，性別，年齢，国，About meのキーワード，Music tasteで検索できる。Music tasteに自分が好むアーティスト名を入力すると，同じアーティストを好んでいるユーザーが表示される。例えば，「Lee Ritenour，Bob James，Earl Klugh，Larry Carlton」を入力すると図13のようなユーザーが検索された。図13の最初に表示されている「arrowmaker」さんのページは図14のようなものである。ここで，「neighbour radio」をクリックすると同じ嗜好の局が再生される。

　ここまでの操作はすべて無料だが，月当たり350円を支払うと，自分の局を維持し，すべてのパーソナル局を聴くことができる。もしユーザーがパーソナル局を持っている場合，その局を聴くのは無料である。図15の画面はユーザー「Yllona」さんのページで，Yllona's radioというパーソナル局があることを示している。