自宅に置いてあるCiscoルーター。職場ではあまり感じなかったけど,自室に置くと結構大きい。置く場所がないので,今はプリンタの上。(写真:エイジ)
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みなさんは,どのように勉強してますか? 僕の勉強方法はズバリ,「Webサイトを作る」です。僕が管理人を務める「Roads to Node」は,「ネットワークを勉強したいと思っている人に役立つように」という意識を持って作っていますが,「自分の勉強のため」という意味合いが結構強いんです。今回は,あのWebサイトをどうやって作っているのかという裏側を紹介します。 最初はネタ決めです*1。これはあまり困りません*2。頭の中にあるネタに優先順位を付けて,「今回はこれ」というネタを選びます。ネタが決まったら資料探しです。僕のWebサイトのテーマは,「ネットワークの基礎」と「Cisco資格対策」ですので,TCP/IPの定番本とか,Ciscoの技術解説書あたりが中心になります*3。 Webサイトでも情報を集めます。インターネットってやっぱり便利ですよね。用語検索サイトやネットワーク解説サイトを見て回ります。実際よく役に立つのは,Ciscoの公式サイトやMicrosoftのサポート・サイトだったりすることが多いです。この手の公式サイトって,基礎的な内容を解説しているページがけっこうあるんですよ*4。 資料を集め終わったら,あとはそれらをひたすら読みます。中核となる本を1~2冊決めて,それを中心に。わからないところはすぐ検索。作業は自宅なので,誰にも相談できません。おかげで資料を見ながら2~3時間うなってることもしばしばです。そうこうしていると,どんなことを書けばいいのかという目星が付くので,そこからWebページを作り始めます。実際は調べて書いて,間違ってるから直して・・・の繰り返しです。 僕のWebサイトでは,「博士」と「助手」の対話形式で解説が進んでいきます。その解説文を書くときのキー・ポイントは「助手」です。ただ普通に対話させていくだけだと聞き手役の助手の出番が少なくなってしまうんです。「へ~」とか「なるほど」しか言わなくなっちゃう。なので,助手に質問させたり,わざと間違えさせたりするわけです。そうすると話のテンポが良くなります。ここが腕の見せ所ですね。
昔の自分と話をしてみるこの「助手」は,ネットワークのことをよく知らないという設定なので,彼の疑問や間違えた理由を説明してあげなければいけない。簡単に説明できると思っていたら,自分で回答できなくてもう一度調べ直し・・・なんてことがよくあります。わかっているようでわかってない,見過ごしていたけれど,実は重要・・・。助手はそんなポイントを引っ張り出してくれるんです。書籍や雑誌の説明は,その場で読んで理解したつもりでも,場面が変わると途端にわからなくなったりします。説明を読むと「なるほど」と思うんだけど,ネットワーク構成が変わると全然「なるほど」になっていなかったり。これは完全に理解できていない証拠です。 勉強していくと「慣れ」ってあるじゃないですか。「大体わかった」とか「~みたいな感じ」というように理解してしまう。すると,実際その知識を使う状況になって,「あれあれ,なんだっけ? 」なんてなっちゃう。「~みたいな感じ」だけが頭にあって,必要な部分がすっぽり抜け落ちている。僕は先生なので,これが授業中だと大変です。 この助手というのは,ネットワークのことが何もわからなかった昔の僕がモデルです。何もわからなかったころの自分と対話するのは,「おいエイジ,本当に理解しているのか? 」と自分自身に問いかける作業というわけです。みなさんも,勉強したことが理解できているか確かめたくなったら,初心者のころの自分と話をしてみるといいかもしれません。 |
筆者紹介
ネットワークの勉強サイトRoads to Nodeの管理人。Flashで作った動画の技術解説が好評。本職は,技術系専門学校の講師。ITproでは「シスコ資格:CCNAへの道」と題したCCNA試験対策の記事を連載中(毎週火曜日更新)。網野衛二というペンネームで執筆活動も始めている。