Inbound Port 25 Blockingとは,迷惑メール対策としてプロバイダが導入を始めた新技術のことである。ほかのプロバイダ内にいる動的IPアドレスを使っているユーザーから直送されてくるメールの受信を拒否することで,増え続ける迷惑メールをブロックする受信プロバイダ側の対策である(図)。
現在,国内大手プロバイダを中心にOutbound Port 25 Blocking(OP25B)と呼ぶ迷惑メール対策技術の導入が進んでいる。このOutbound Port 25 Blockingは,プロバイダが自社の網内にいる動的IPアドレス・ユーザーに対して,正規のメール・サーバーを介さずにメールを外向けに直送する行為を止めるもの。それに対して,Inbound Port 25 Blocking(IP25B)は,ほかのプロバイダ内にいる動的IPユーザーからの直送メールの受信を拒否する。
Inbound Port 25 Blockingの問題は,ほかのプロバイダが管理する動的IPアドレスをどう特定するかという点だ。2006年4月下旬からInbound Port 25 Blockingを導入し始めたOCNの方法は「ほかのプロバイダと個別に交渉してリストをもらう」(NTTコミュニケーションズの北村和広OCNサービス部長)というもの。IPアドレスそのものではなく,動的IPアドレスをDNSで逆引きした際のドメイン名の命名規則を教えてもらうケースもあるという。