Web上で展開するキャンペーンにも数多くの種類があるが、検索連動型広告を利用しているのであれば、検索ユーザーに対してもそのキャンペーンを訴求しない手はない。せっかくのキャンペーン、どのように訴求するとクリックが増え、顧客獲得数が増えるのであろうか。

 まずは母数を増やす必要がある。応募するための要件がさほど複雑でない場合には、キーワードはできる限りリーチを広くし、その商品・サービスを求めて検索したのではないユーザーにもアプローチをすることが肝要となる。

 もし応募受付期間が長い場合、終了日をキャンペーンの当初から広告文に入れるのはお勧めしない。まだ先が長いからとコンバージョンを先延ばしにされかねないからである。そしてそのまま忘れられる可能性も高い。それならばかわりにもう一言、商品・サービスの訴求をするべきである。そして、締め切りが近くなれば終了日を打ち出すことを忘れてはいけない。

 「ここぞ」というキャンペーンの場合。例えば「今ご購入の方に抽選で海外旅行プレゼント」のようなものや、期間が短くコンバージョン数をできる限り増やしたいキャンペーンでは、タイトルからキャンペーンを訴求するべきではないだろうか。

 最大文字数が15文字であるオーバーチュア「スポンサードサーチ」のタイトルを例に挙げてみる。コンバージョンは会員登録、キャンペーンの内容は有名ホテルへの宿泊券が10組に当たるというものだとしよう。

 (a) 「会員登録キャンペーン中!」

 (b) 「有名ホテルの宿泊券が当たる!」

 ユーザーに壁を作らせないのはどちらのタイトルだろうか。

 「会員登録」や「入会」などの言葉はユーザーにとって障壁になってしまう言葉である。一番目に付くタイトルで「会員登録」という言葉を打ち出してしまうと、ユーザーにクリックされず、そのままスルーされかねないのである。まず、見てもらうこと、クリックしてもらわないことには獲得はできない。

 そしてユーザーがキャンペーンに惹かれてクリックしたなら、その先のランディングページでも、そのキャンペーン内容をわかりやすく見せていくことが重要である。どこがキャンペーン対象かはっきり分かるようなページを作らなければ、無駄クリックを増やしてしまうだけである。

 キャンペーンを設計する際には、そこでどれだけのコンバージョン数を得たいか、CPA(顧客獲得単価)はどれくらいが適当なのかを設定する必要がある。その上で、露出から誘導、着地からコンバージョンまでのシナリオを描き、打ち出してゆくことが重要となる。


(アウンコンサルティング コンサルティンググループ 片山麻依子)



 本コラムは、アウンコンサルティングのサイト 「(((SEM-ch))) 検索エンジンマーケティング情報チャンネル」に連載中の「SEM特撰コラム」を再録したものです。同サイトでは、SEOや検索連動型広告など検索エンジンマーケティング(SEM)に関する詳しい情報を掲載しています。