写真1●スケジュールビルダ
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写真2●Ajax関連セッションの例
写真2●Ajax関連セッションの例
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写真3●JavaOne SFで講演する比嘉氏
写真3●JavaOne SFで講演する比嘉氏
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写真4●Seasar2セッション会場
写真4●Seasar2セッション会場
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写真5●Struts関連セッション
写真5●Struts関連セッション
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 さて,今回はJavaOneSFのセッションにまつわるお話をしましょう。セッションにまったく触れないと「遊びに行っただけ」と思われてしまいますので・・・

セッション選びはとても大変

 前回も書きましたがJavaOne SFには実に380を超える大量のセッションが朝8:30から夜の11:30までびっしりとあります。この中から聞きたいセッションを探しだし,スケジューリングは非常に大変な作業です。

 この作業を助けてくれるのが,JavaOne SF へ申し込むと同時に利用可能となるスケジュールビルダというWebアプリケーションです(写真1)。このアプリケーションを使ってセッションを検索してスケジュールを組み立ててゆくのが,正しい姿のようです。

 ですが,これがまた一苦労なのです。時間割のように時系列でセッションを見ることができず,聞きたいセッションのダブルブッキングや「3時間空いて1つ聞く」といった非効率なスケジューリングとなってしまいがちです。この辺り,もう少し改善の余地があると思います。筆者は4時間かかって自分のスケジューリングが完成しました。これは,出発前に済ませておきましょう。

 どのセッションも,スケジュールビルダにて登録を済ませている人から優先的に入場できるシステムになっています(これは,今年からです)。入場時にはパスを端末にかざして登録チェックを行います。

 4時間もかかって探し出して登録したセッションでも,当たり外れがあるのは日本もUSも変わりません。どれとは言えませんが筆者もいくつか外れを引いてしまいました。日本との違いは「期待はずれのセッションだ」と感じた時点で離席する人が非常に多いことです。比較的まじめにすべてを聞き,その後で「はずれだったね」と感想を言う日本のそれとは,あからさまに違います。例え最前列に座っていてもです。自分のセッションでやられたらショックかもしれません(私は日本人ですから)。

 今年人気のセッションは,予想通りAjaxというキーワードがついているセッションです。もはや盲目的に人が集まっています(写真2)。

もう1つは JBIやBPELといったSOA関連のセッションです。JavaME系もセッションは当然ありますが,筆者の専門外のため不明です(ごめんなさい)。去年吹き荒れていたDI旋風はひと段落し,もはや常識の域に達した感があり,あまり取り上げられていませんでした。

 一方,Ajaxは去年から引き続きの人気テーマです。筆者は残念ながら参加できませんでしたが,JavaOne SF直前のSan Francisco にてAjax ExperienceというAjaxのイベントも開催されており,多数の濃いメンバの参加があったようです。

Seasarの比嘉氏が講演

 数多くのセッションの中でも,今回のJavaOne SFで注目すべきセッションは,なんと言っても Seasar Foundationの 比嘉氏 によるセッションでしょう(写真3)。これが事実上の海外進出第一弾となるわけです。筆者も当然セッションを聞きに行きました。

 ISIDの飯田氏と共に登壇した比嘉氏は,S2 コミュニティの紹介からはじまり S2 がもつ基本的な機能とその使い方,他のDIコンテナに比べて圧倒的に短い設定ファイルの話しなどを行い,HotDeploy機能のデモを見せ喝采を浴びていました。

 最後に英語によるドキュメントとメーリングリストがレディであることを告げ,大勢の拍手と共に無事,S2の海外進出第一弾は終了しました。

 夜10:30開始という不運なスケジュールにもかかわらず70人前後の人が集まり,内20人弱が非日本人といった内訳のようでした。

 セッション最後のQAタイムではパフォーマンスに関する質問なども出て,興味をもった参加者も現れていました。Rubyのように世界に広まってゆくとよいですね。

比嘉氏の講演資料

Strutsの今後の方向性

 筆者も気になる Struts に関連するセッションですが,私が探した限りでは1つだけでした。大きな会場が用意されていたのですが,以前ほどの勢いはなく,空席が目立つようになっていました(写真5)。

 このセッションではStruts Tiを前面に出したタイトルだったのですが,内容は,大きな転換期を迎えているStrutsプロジェクトの今後の方向性と,Strutsの次期バージョンであるStruts Action2 Frameworkの概要などが示されていました。この辺りは今後の連載で紹介してゆくことにしましょう。

 次回は,JavaOne SFのもう1つの側面を紹介します。

■著者紹介
黒住幸光(くろずみ ゆきみつ)氏
株式会社アークシステム システム構築スペシャリスト。1995年,スーパー・コンピュータ向け言語処理環境の研究中に,生まれて間もないJavaと出会う。のちにJavaに専念するため転職を決意。現在,株式会社アークシステムにてオープンソース・ソフトウエアを用いたWWWシステムの構築,コンサルティングを行うかたわら,雑誌への執筆,StrutsユーザーMLの管理,Ja-JakartaプロジェクトTurbine翻訳の取りまとめなど幅広く活動中。著書に「Apache Strutsハンドブック」(発行:ソフトバンクパブリッシング)がある。メール・アドレスは,yukimi_2@yahoo.co.jp