アドウエアとは,ユーザーのパソコンに広告を自動表示させるソフトウエア。単純に決められた広告を表示するもののほか,ユーザーの嗜好に合った広告を表示するものもある。
ユーザーの嗜好に合った広告を表示するために,一部のアドウエアはユーザーのWebアクセスの履歴をセンターに送って,その情報から嗜好を判断するといった機能を持っている。ただ,Webアクセスの履歴をセンターに送るという機能を持つアドウエアは,スパイウエアと見なされるケースがある。
フリー・ソフトにバンドルされて配られる米クラリアの情報送信機能付きアドウエアである「Gator」を例に,アドウエアの動きを見てみよう(図)。
例えばパスワード管理ツール「Gator eWallet」をインストールすると,同時にGatorもパソコンに入ってくる(図の1)。するとGatorは,ほかの多くのスパイウエアと同じように,常駐して動くようにレジストリを書き換える。ユーザーがWebブラウザでWebサイトにアクセスすると(同2),GatorはWebサイトのURLや,Webサイトに入力した情報をアドウエアのWebサイト(この場合はクラリア)に送る(同3)。
情報を受け取ったクラリアのWebサイトは送られてきた情報を基に,広告用のWebページを生成してGatorに送り返す。クラリアからのWebページを受け取ったGatorは,ユーザーのデスクトップ上に新しいブラウザ・ウインドウを立ち上げ,広告ページを表示する(同4)。
このように,あるサービスを効果的に提供するために,ユーザー側の情報をセンターに送るしくみを持つソフトは増えている。こうしたソフトをスパイウエアと見なすかどうかは,判断が難しい。
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