前回はiPodにLinuxをインストールする方法を説明した。Linuxが無事インストールできたら,ビデオを見てみよう。
まず,iPod Linux(iPL)が再生できる形式のAVIファイルを作る必要がある。iPod Photoは75MHz動作のCPUを搭載していて,圧縮されたビデオを伸張しながらビデオを再生するのは不可能である。そのため,非圧縮のビデオ・ファイルを作成しなければならない。
そのためのツールが「MoPiD」である。対応しているiPodは,次の通りだ。
・iPodグレー・スケール画面を備えた1G,2G,3G,4G
・iPod Mini
・iPod Photo,Color
・iPod Nano
MoPiDは,MEncoderのフロント・エンドとして動く。MEncoderがサポートしているビデオCODECは,MPEG2,MPEG4,WMV,QuickTime,RealMedia,XviDなど多数ある。
MoPiDはコマンド・ライン(コマンド・プロンプト)で実行する。起動するとiPodの種類を聞いてくるので,「reg」「mini」「photo」「nano」のいずれかを入力する(図1)。
次に変換対象のビデオ・ファイル名と,変換後の保存先ファイル名を選択/指定する(図2)。それぞれ,エクスプローラのウインドウが開くのでファイルを選ぶ。指定した保存先ファイルが既に存在していれば,上書きするかどうかが確認される。
最後にフレーム・レートを指定する(図3)。途中,「Skipping frame!」と表示されることがあるが,これは気にしなくてよい(図4)。
変換が終了したら,PCにiPodを接続し,変換したAVIファイルをコピーする。例えばvideoという名前のフォルダーをiPodのFAT32パーティションに作成し,その中にコピーするとよいだろう。
次にiPodをPCから切り離す。このとき前回説明したように,Windowsデスクトップの右下にある緑色の矢印アイコンをクリックし,「ハードウエアの安全な取り外し」を行う。単にiPodのUSBケーブルを抜くと,iPodが壊れる可能性が高いので注意が必要である。
iPodをPCから切り離したら,iPod Linuxを「PZ0」で起動する。ファイル・ブラウザでビデオ・ファイルを見つけ,セレクトし,再生する。うまく再生できない場合はiPodをリブートするか,または空のAVIファイルを作ってそれを再生する。
空のAVIファイルは,Windowsのメモ帳でclear.txtという,中身が空のファイルを作成し,保存し,clear.aviにファイル名を変更する。これをiPodにコピーし,それを再生する。これで正常に再生できる場合がある。
DOOMを楽しむ
PCゲームの歴史の中で最も重要なゲームの1つであるDOOMが,iPLに移植されている(図5)。iDOOMは,パブリック・ドメインとしてリリースされたDOOMのソース・コードをiPLに移植したもの。iDOOMは,ほとんどのiPodで動作する。だが残念ながら効果音は出ない。第5世代iPod(5G)では,「Rockbox」というオープンソースのファームウェアを使用すると,iDOOMを起動でき,音が出せるという報告がある。

図5●iPod PhotoでのiDOOM起動直後の画面
iDOOMのインストール方法は次の通りだ。
1.iDoom1_2.zipをiDOOMのサイトからダウンロードし,展開する。
2.iPodをPCに接続し,任意の名前のフォルダ(例えばiDOOM)をiPodに作成し,その中に展開したすべてのファイルをコピーする。
3.iPodをPCから切り離し,iPodLinuxをブートする。Podzilla(PZ0)を起動する。
4.PZ0のファイル・ブラウザで「hp」というディレクトリを探し,その中にあるiDOOMディレクトリを表示する。iDOOMを選択し,起動する。
5.「KNEE-DEEP IN THE DEAD」を選択し,さらに「ULTRA VIOLENCE」を選択する。
ゲーム・プレイは以下のキーを使用する。
Run : [Menu]
Left : [Rewind]
Right : [Fast Forward]
Shoot : [Play/Pause]
Open : [Action]
Menu : [Hold]をオン, 再度Holdをオフ
メニューのコントロールは次のように行う。
Move up : [Menu]
Move down : [Play]
Select : [Action]
Confirm Exit : ホイールを時計回りに操作
Cancel : [Hold]をオン, 再度Holdをオフ