Windowsを用いたシステムと,Linuxを用いたシステムの間で文書ファイルをやり取りするときに問題になるのが,日本語フォントだ。Windowsで標準装備の「MS P ゴシック」や「MS P 明朝」といったフォントは,Linuxデスクトップには用意されていない。そのため,Microsoft Wordで「MS P ゴシック」に設定した文書ファイルは,Linux上では同様には表示されないことが多い。そこで,次のような解決方法が考えられる。
[解決策1] MS互換フォントを両方に入れる
まず,Microsoftと同じ種類の日本語フォントを用意して,Linuxデスクトップに入れておく。多くの商用Linuxディストリビューションには,このような日本語フォントが含まれている。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は,IPAの支援活動の成果といっしょに配布できる高品質の日本語フォント「IPAフォント」5書体を用意している。こうしたフォントを,Windowsを用いたシステムとLinuxを用いたシステムの両方に導入すれば,両システム上で同じ見た目を実現できる。
[解決策2] フォント置換を設定する
2番目の解決策は,「フォント置換」機能を設定することだ。これは,Linuxデスクトップが持たないフォントをどのように対応付けるかを設定する機能だ。例えば,Windowsで「MS P 明朝」が設定されたテキストを「IPA P 明朝」に置き換えるように設定できる。具体的には,次のように設定する。
(1) 置き換えフォントを設定した文書ファイルを開く
(2) 置き換えたいフォントが設定されたテキストを選択する
(3) 「書式」ツールバーの「フォント名」をドラッグで選択する(写真1)
(4) 右クリック-[コピー]
(5) [ツール]-[オプション]
(6) 「OpenOffice.org」-「フォント」を選択する
(7) 「置換テーブルを使う」をオンにする
(8) 「フォントの種類」を右クリック-[張り付け]
(9) 「置換候補」で変換先のフォント名を選択する
(10)適用ボタンをクリックする
(11)設定されたフォントリストで,「常に」をオンにする(写真2)
これで,フォント置換が設定できた。