図:ClearTypeの設定を無効化する画面
図:ClearTypeの設定を無効化する画面
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 Q:現在Windows XP上で「Internet Explorer(IE) 7」の「Beta 2」をテストしているのですが,一部のサイトでなんとなく文字がぼやけて見えるようになりました。疲れ目でしょうか?

 A:Internet Explorer 7では,デフォルトで「ClearType」という処理が行われるようになりました。ClearTypeは,文字の斜め線部分のギザギザ(ジャギー)を抑制するために「ヒンティング(Hinting )」などを行うマイクロソフトの技術です。ClearTypeは,解像度の低い液晶ディスプレイで文字を美しく表示するための技術なのですが,人によっては文字のにじみが気になることがあります。気になる人はIE 7でのClearTypeの使用をやめるか,下で紹介するツールを使って表示を調整しましょう。

 ClearTypeの使用をやめる方法は以下の通りです。まずIE 7では,メニュー・バーが隠されているので[Alt]キーを押してメニュー・バーを表示させます。そして[ツール]−[インターネットオプション]を選択します。この画面で[詳細設定]タブを選択し,[設定]−[マルチメディア]の項目にある[Use ClearType]のチェックを外します(図)

 ClearTypeに対応しているのは,OSではWindows XPとWindows Server 2003だけです。またマイクロソフトがWindows XPとWindows Server 2003に標準搭載している日本語フォント(MS明朝やMSゴシックなど)では,文字のサイズが小さい場合(16ポイント以下)にClearTypeの処理を行わない(ビットマップ・フォントを表示する)ようになっています。そのため,IE 7 Beta 2でWebサイトを閲覧した場合にフォントにClearTypeの処理がかかるのは,(1)英語のWebサイト,(2)日本語のWebサイトで英数字が使われている一部の場合,に限られます。

 マイクロソフトは文字のにじみが気になるユーザーのために,ClearTypeの処理を調節できる「ClearType Tuner」(英語)というWebブラウザ・ベースのツールや,「ClearType Tuner PowerToy」(英語)というデスクトップ・ツールを配布しています。文字のにじみが気になるけれどもClearTypeを使いたいというユーザーは,こういったツールを使ってみるのも1つの手でしょう。

 Windows VistaでもClearTypeに対応する予定です。またWindows Vistaには,ClearTypeに対応した「メイリオ」という新しいフォントも搭載されます。Windows Vista Beta 2は5月下旬に一般にも公開される予定なので,メイリオを使った場合のWebサイトの見栄えなどを試してみるとよいでしょう。