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図1●ビジネス面の優先度 順位比較

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図2●技術面の優先度 順位比較
 CIO(最高情報責任者)の優先課題は、日本では顧客の獲得・維持が1位だが、全世界ではビジネスプロセスの改善が1位であり、意識に差があることが、ガートナーの調査で浮かび上がった(有効回答数は全世界で約1400人、うち日本は29社)。

 ビジネス面での優先課題を尋ねたところ、日本の1位は「顧客の獲得・維持および顧客との関係強化」だが、全世界では3位だった。全世界では1位の「ビジネスプロセスの改善」は日本では7位だが、2005年の調査における13位と比べて大きく上昇している。

 日本の2位である「セキュリティ侵害および業務の中断」は、全世界では2005年の2位から2006年は7位へと順位を下げた。同じくセキュリティ関連の「データ保護とプライバシー」を見ると、日本では2005年は個人情報保護法の施行を受けて1位だったが、2006年は6位に下がった。全世界でも2005年の5位から2006年は10位と順位を下げている。

 日本では3位と優先度の高い「内部統制の確立と強化」は全世界では13位に過ぎない。これは、日本ではSOX法への対応が今後の課題であるのに対して、米国では2004年に既に施行済みであるためとみられる。

 技術面における優先度は、「セキュリティ強化ツール」が日本で1位、全世界では2位であり、依然として重要な課題である。全世界の1位である「ビジネス・インテリジェンス(BI)」は日本では3位であり、企業の成長を支援するという大きな目標の柱として注目されていることの表れと、ガートナーではみている。