写真1●YouTubeのプロフィール・ページ。投稿したビデオ,お気に入りに入れたビデオなどが管理できる
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写真2●YouTubeのビデオ投稿ページ。デスクトップ上のファイルを選んで,「アップロード」ボタンを押すだけと簡単
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写真3●YouTubeのビデオ一覧ページ。「頻繁に再生されているビデオ」「評価の高いビデオ」,「多くの人がお気に入りに入れているビデオ」などを閲覧できる
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写真4●YouTubeのグループ・ページ。自分が参加しているグループ(コミュニティ)の一覧を表示する
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図1●YouTubeの訪問者数とリーチについての日米比較(2006年3月,家庭のPCからのアクセス,米国データは Nielsen//NetRatings US Reportによる,<a href="http://www.netratings.co.jp/New_news/News04272006.htm" target="_blank">ネットレイティングスの調査</a>より引用)
図1●YouTubeの訪問者数とリーチについての日米比較(2006年3月,家庭のPCからのアクセス,米国データは Nielsen//NetRatings US Reportによる,<a href="http://www.netratings.co.jp/New_news/News04272006.htm" target="_blank">ネットレイティングスの調査</a>より引用)
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 前回の本コラムでは,今米国で社会現象にまでなっているSNS「MySpace.com」についてレポートした(記事)。今回は同じように今,米国などで大変盛り上がっている「YouTube」について考えてみたい。

 YouTubeはWeb上で提供される,ビデオ(映像)の投稿/共有サービス(写真1~4)。誰でも自由に参加でき,利用料はかからない。若者を中心に人気が高まっており,同サイトの1日当たり訪問者数は1000万人超。1日当たりのページビューは約1億PV。MySpace.comの240億PVという驚異的な数字には及ばないものの,YouTubeが正式サービスを開始したのはほんの半年前。そのわずかな期間で利用者は爆発的に増えた。

すでにGoogleやYahoo!を追い抜く

 YouTubeには現在,1日に3万5000本のビデオがアップロードされ,1日当たりの再生回数は4000万回以上という。ビデオ・サイトにおける訪問者数のランキングでは,MSNに次いで第2位。すでにGoogleやYahoo!のビデオ・サイトのそれを上回っているという大変な人気ぶりである(米Nielsen//NetRatingsの調査資料=PDFファイル)。

 また先ごろ公表された別の調査では,日本からの利用者が多いことも分かったという(図1関連記事)。日本からはすでに1カ月に200万人以上が訪問しており,そのリーチ(利用率)は米国のそれとほぼ同じ。YouTubeは日本でも米国並みに浸透しているのだという。これは,英語で提供されているサイトとしては「珍現象」。ビデオのコミュニティーにおいては,言葉の壁はあまり関係ないといった感じである。

アップロードの簡便さがうけている

 そのYouTubeの人気を支えているのが,アップロードの簡便さと言われている。もちろん昨今のブロードバンドの普及といった背景もあり,またビデオカメラはもちろん,デジタルカメラや携帯電話でも簡単にビデオ撮影ができるというユーザー環境にも要因はある。

 YouTubeでは,これら機器で撮影した映像をパソコンに取り込みさえすれば処理は概ね終わったようなもの。あとはWebブラウザ経由でファイルをアップロードすればよい。ちょうどブログ・サービスなどで写真をアップロードするのと同じ要領である。各ビデオにはタイトルや説明文,タグ,カテゴリといったコンテンツに関する詳細を記述できる。コンテンツは一般に公開するか,「仲間うちのみ」,あるいは「家族のみ」と公開対象を任意に設定できる。

 また,アップロードされたビデオにはこれまで何回再生されたかといった情報が表示される。コメント付けなども可能となっており,ほかのユーザー反応を知ることができる。このほか,アップロードされるとそのビデオのURLとHTMLタグがブラウザ上のテキスト・ボックスに表示される。これをコピーして貼り付ければ,容易に自分のWebサイトに表示できるようになる。もちろんファイルはYouTubeのサーバーに保存されたまま。ブログ・サービスの容量制限に影響を与えることはない。自分のページを介してYouTubeサーバーからストリーミング再生されるだけである。

 なお本原稿執筆中の米国時間10日,YouTube社が携帯電話から直接投稿できる機能を正式発表した(関連記事発表資料)。この機能を使えば,わざわざ自宅に帰ってパソコンからアップロードする必要がなくなり,大変便利という(ただし現在対応する携帯電話サービスは,米Cingular,米Sprint,米T-Mobile USA,米Verizon Wirelessのみ)。

ファイルはFlashに自動変換

 YouTubeが現在対応する映像ファイルのフォーマットは「.AVI」「.MOV」「.MPG」。ほとんどのカメラ/携帯電話の映像をそのまま投稿できるとYouTube社は説明している。また最も見栄えがよくなる推奨フォーマットはMPEG4で,解像度は320×240とのことである。「iMovie」や「Windows MovieMaker」といったソフトでサイズを変更したり,タイトルやエフェクトを付ける人も多いとのことだ。こうしてアップロードされたファイルは同社のシステムによって,Flash映像に自動変換される。この仕組みにより,誰もがWebブラウザだけで簡単に共有できるのだという。

 なお1つのファイル容量は100Mバイトまでという制限はあるものの,1人のユーザーが投稿できるビデオの数には制限はない。1本の制限時間は10分というが,投稿されるほとんどは5分以内の手軽なものという。

 閲覧環境はというと,各ビデオをカテゴリ別にブラウズできるほか,人気ビデオのページなども用意する。タイトル/タグ/ユーザー名などによる検索機能や,お気に入りビデオの登録/閲覧,好きな投稿者をサブスクリプションする機能や,SNSのコミュニティに似たグループ機能もある。至れり尽くせりといった感じである。

 YouTube社を設立したのは米PayPalの当初からの社員だった2人。現在YouTube社でCEOを務めるChad Hurley氏と,同CTOのSteve Chen氏である。YouTube社を設立するきっかけは、ある夕食パーティーだった。