Q:ウイルス対策ソフトを導入しているのですが,ウイルスに感染してしまいました。何が原因でしょうか。また,このような事態を防ぐには,どのような点に気を付ければよいのでしょうか。


A:ソフトの使い方と定義ファイル更新について確認しましょう。


 「ウイルス対策ソフトをインストールしたのにウイルスに感染した」とのことですが,それには2つの原因が考えられます。「ソフトの使い方に問題がある」「ソフトや定義ファイルを更新していない」です。

 まず,ソフトの使い方に問題がある場合について考えましょう。以下の3つをチェックしてみてください。

・ソフトを起動しているかどうか?
・ソフトが常駐しているかどうか?
・スキャン(ドライブの診断)を実施しているかどうか?

 最近のパソコンはウイルス対策ソフトがプリインストールされているケースが少なくはありません。しかし,ソフトをインストールしても起動し,設定をしておかなければ宝の持ち腐れになってしまいます。必ず,一度はソフトを起動し,必要な設定をしてください。

 「ソフトが常駐」というのはパソコンの電源を入れたとき,ウイルス対策ソフトも自動的に起動し,パソコンの電源が入っている間,ソフトも常に動いている状態を指します。ソフトが常駐している場合は,デスクトップの右下のタスクバー(時刻表示などがあるバー)にソフトのアイコン(利用するソフトによって異なる)が表示されます。もし,常駐用のアイコンが見えない場合は,ソフトは起動していません。その場合は,ソフトを起動し,設定で常駐機能を有効にしてください。ウイルス対策ソフトは,四六時中稼動させておき,監視しておく必要があります。

 スキャンはウイルスが入り込んでいるかどうか,ドライブ全体(全ファイルやフォルダ)を検査することです。このスキャンを実行しなければ,すでに潜り込んでいるウイルスを発見し,駆除することはできません。常駐させるだけではなく,定期的にスキャンを実行するようにしましょう。例えば,就業日や就業時間を考慮し「毎週金曜日17時」にスキャンを自動的に実行するような設定が可能です。スキャンはハードディスク全体を検査するため,開始から終了までに数十分を要することがあります。そのため,仕事中のスキャンは,あまりお勧めできません。


定義ファイルは必ず更新を

 次に,ソフトや定義ファイルを更新していない場合について考えましょう。

 ウイルス対策は,新種ウイルスの発生と防止の繰り返しです。ですから,新種のウイルスに対応するためには,ソフトのバージョンアップと定義ファイルの更新を怠らないようにしなくてはなりません。

 定義ファイルとは,ウイルスの特徴などを記述したファイルのことで,ウイルス対策ソフトは,この定義ファイルを元に検査を実行します。つまり,定義ファイルが古いままでは,新種のウイルスに対応できなくなってしまいます。この定義ファイルは,ソフト・メーカーが最新のものを自社サイトで提供しています。また,ソフトによっては,定義ファイルを自動的に更新するものもあります。この場合は,更新間隔を自分で設定することができます。

 最近では,インターネットに常時接続した環境で,ソフトや定義ファイルを自動的にアップデートするソフトが増えてきました。また,中堅・中小企業向けに,サーバーやASPサービスで,ソフトや定義ファイルのアップデート状況を管理することができます。こうしたソフトも検討してみましょう。