「セキュリティ専門家」とは何者なのか,疑問に思うことがある。ここに,「『Google Earth』を使うとサッカー場のGPS座標を読み取れることから,テロのリスクが存在する」と考える専門家がいる。
要するにKlaus Dieter Matschke氏は,これまでGoogle Earthに1kmの誤差があったのに,現在20m以下の精度でビルの位置を特定可能になったため,不安を感じているのだ。同氏は「この情報から,テロリストはミサイル攻撃に使う正確な位置を取得できる」と心配している。
こんな「たわごと」をメディアで発表する人物が出るとは思いもしなかった。GPS端末をポケットに忍ばせてサッカー場まで試合を見に行き,1mの精度でGPS座標を得ることなど,誰でも自由に行える。地図を買ってもよい。
Google Earthには問題などない。真の問題は,短距離ミサイルがブラック・マーケットで入手できることだ。
<http://www.heise.de/newsticker/meldung/71784>
この話題に対する英語版のブログ記事:
<http://www.ministryofpropaganda.co.uk/... >
Copyright (c) 2006 by Bruce Schneier.
◆オリジナル記事「Terrorism Risks of Google Earth」
◆「CRYPTO-GRAM April 15, 2006」
◆「CRYPTO-GRAM April 15, 2006」日本語訳ページ
◆「CRYPTO-GRAM」日本語訳のバックナンバー・ページ
◆この記事は,Bruce Schneier氏の許可を得て,同氏が執筆および発行するフリーのニュース・レター「CRYPTO-GRAM」の記事を抜粋して日本語化したものです。
◆オリジナルの記事は,「Crypto-Gram Back Issues」でお読みいただけます。CRYPTO-GRAMの購読は「Crypto-Gram Newsletter」のページから申し込めます。
◆日本語訳のバックナンバーは「Crypto-Gram日本語訳」のページからお読みいただけます。
◆Bruce Schneier氏は米Counterpane Internet Securityの創業者およびCTO(最高技術責任者)です。Counterpane Internet Securityはセキュリティ監視の専業ベンダーであり,国内ではインテックと提携し,監視サービス「EINS/MSS+」を提供しています。