Q:エラーが頻繁に発生したので,「デフラグ」を実行したところ,エラーがなくなりました。「デフラグ」とは何のために行うのですか。


A:デフラグは,ハードディスクの使用領域を整理するものです。エラーを少なくし,アクセス速度を上げる効果があります。定期的に行うことをお勧めします。

 デフラグとは「デフラグメンテーション」(defragmentation)の略です。「断片化」(フラグメンテーション)したファイルの位置を物理的に配置し直すことです。

 ハードディスクに対して,ファイルの書き込みや削除を繰り返していると,だんだんと使用領域が不連続になり,いわゆる「虫食い状態」になってきます。すると,空き領域が細分化されてしまい,次に保存するファイルが収まりきらず,別の部分に分けて保存するということになります。これが,ファイルの「断片化」(フラグメンテーション)です。

 もちろん,ファイルが断片化しても,それをカバーする仕組みができていますので,利用者はまったく意識をしないで,ファイルの読み書きができます。しかし,パソコンにとっては,かなりの負担になってしまうのです。

 というのも,断片化が進むと,1つのファイルを読み書きするだけなのに,別の場所に収められたデータに次々にアクセスしなければならず,ハードディスクドライブのヘッドの移動量が多くなるからです。これが,ファイルの読み書きの速度が遅くなる原因となるだけでなく,ひいてはヘッドが酷使されることとなって故障を引き起こすもとともなってきます。

 また,連続した空きスペースがなくなってくると,システムファイルや大きなファイルを連続して収めることができなくなり,フリーズの原因ともなります。

 こうした事態を防ぐために,ファイルの断片化を解消し,ハードディスク内のファイルを再配置するのが「デフラグ」です。日本語で「(ハードディスクの)最適化」と呼ぶこともあります。いわば,ハードディスクを整理整頓する作業と考えておけばよいでしょう。