vPro テクノロジーのロゴ
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vProが搭載する管理技術の概要
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 米Intel社は,企業向けデスクトップ・パソコンのプラットフォーム「vPro(ヴィープロ) テクノロジー」を発表した(インテルのvPro関連サイトはこちら)。IT部門によるクライアント・パソコンの管理コストの低減や,セキュリティの改善などを実現する,としている。同社が発表するプラットフォームは,モバイル向けの「Centrino」,家庭におけるエンターテインメント用途向けの「Viiv」に続いて3番目。2006年後半以降に,vPro対応製品が登場する見通しである。

 現在,企業のIT部門は導入したパソコンのトラブル対処やセキュリティ確保など「メンテナンス作業に全体の90%の時間を割いている」(米Intel社)という。この時間を減らすのが,vProの主な狙いである。

 具体的には,クライアント・パソコンの管理技術「アクティブ・マネージメント・テクノロジー(AMT)」と仮想化技術「バーチャライゼーション・テクノロジー(VT)」を搭載する。
 AMTは,OSの不調が原因で正常に動作しないパソコンをリモートで修復したり,セキュリティ対策ソフトが無効になっている場合はそれを有効にする。さらに,パソコンがウイルスに感染した場合,企業内ネットワークに流れるパケット・データを監視して,感染したパソコンをネットワークから遮断するなどの機能を持つ。また,電源が入っていないクライアント・パソコンを起動して監査することも可能だという。

 一方,VTは1台のパソコンの中に,仮想的に独立したハードウエア環境を構築できる機能。発表会では,セキュリティ対策ソフト大手の米Symantec社が,vPro テクノロジー向けにVTを利用したソフトウエア「Virtual Security Solution」を開発中であることを明らかにした。最近では,パソコンに導入されたセキュリティ対策ソフトウエアを無効にするウイルスなどが増えているが,Virtual Security SolutionはOSとは独立した安全な環境で動作するため,パソコンの感染には影響されずに問題に対処できる,という。

 なお,パソコン・メーカーがvPro テクノロジーのロゴを取得するには,デュアル・コア型の次世代デスクトップ・パソコン向けマイクロプロセサ「Conroe(開発コード名)」,チップセット「Q965 Express」,ネットワークプロセサ「PRO/1000」,さらに同社が提供する専用のファームウエアやドライバー・ソフトウエアの搭載が条件となる。