概要  
telnetプロトコルを使ってリモート・ホストの(仮想)端末に接続する。ネットワーク経由でほかのコンピュータを操作する場合に使う。

telnetには,コマンド・モードとセッション・モードという二つのモードがある。モードによって使用できるオプションが異なる。コマンド・モードでホストへの接続や切断,設定の変更といった操作をし,ホストに接続した後はセッション・モードであたかもそのホストにログインしているかのように操作できる。セッション・モードの操作中に必要に応じてコマンド・モードに戻り,オプション設定を途中に変更することが可能である。またコマンド・モードでしか設定できない項目もある。


 構文  
telnet [-a] [-e エスケープ文字] [-f ログ・ファイル名] [-l ユーザー名] [-t 端末の種類] 接続先ホスト [ポート番号]

 利用環境  
Windows 95 □
Windows 98 □
Windows Me ○
Windows NT 4.0 □
Windows 2000 ○
Windows XP ○
Windows Server 2003 ○
※Windows 95/98/NT 4.0では,CUIベースのtelnetコマンドではなくGUIベースのtelnetコマンドが存在する。操作方法は多少異なるが,使用方法はCUIベースのtelnetコマンドと同一である

 オプション 
(なし)telnetコマンド・モードのプロンプトを表示する。
-e エスケープ文字telnetセッション・モードからコマンド・モードに遷移する際のキーを設定する。特に指定しない場合のデフォルトのキー割り当ては「CTRL+[」である。
-f ログ・ファイル名telnetセッション・モードでやりとりした内容をで指定した名前のログ・ファイルとして記録する。
-l ユーザー名対話的ログインをする際に,指定したユーザー名を使う。接続先のホストが対応していない場合は無視される。
-t 端末の種類接続先の端末の種類を指定した端末と見なす。この設定は画面表示やカーソル制御などに影響する。設定可能なオプションは,ANSI|VT100|V52|VTNTの4種類。接続先がWindows標準のTelnetサーバーの場合はVTNTを,それ以外の場合は通常VT100を指定することで正しく表示される。
接続先 [ポート番号]接続先を名前解決可能な名前もしくはIPアドレスで指定する。必要に応じて,利用するポート番号を指定することも可能。特にポート番号を指定しなかった場合は,telnetの標準のポート番号(23)を使って接続する。


 コマンド・モード 
telnetでは,コマンド・モードとセッション・モードという二つのモードがある。モードによって使用できるオプションが異なる。コマンド・モードでホストへの接続や切断,設定の変更といった操作をし,ホストに接続した後はセッション・モードであたかもそのホストにログインしているかのように操作できる。セッション・モードの操作中に必要に応じてコマンド・モードに戻り,オプション設定を途中に変更することが可能である。またコマンド・モードでしか設定できない項目もあるほか,UNIXマシンなど異なるOS環境に接続して対話的に各種の操作を実行する際には,コマンド・モードでオプションを適切に設定する必要がある。以下にはネットワーク管理者が意識する必要があると思われるコマンド・モードのオプションに絞って説明する。
escape/logfile/termそれぞれ,以下で説明する「-e」,「-l」,「-t」オプションに対応する。
codeset コード名リモート・ホストが出力する日本語の文字コードを指定する。リモート・ホストの日本語出力が文字化けする場合は,このオプションを適宜設定する必要がある。ただし,UTF-8には対応していない。
crlf有効にすると改行コードとして「CRLF」を送出する。無効にすると「CR」を送出する。接続先リモート・ホストの設定に合わせて適宜設定する。
localecho入力した文字列を表示させる。通常はリモート・ホストの側で入力した文字列をエコーバックして端末の画面に表示するが,エコーバックが行われず入力した内容が画面に表示されない場合にこのオプションを有効にする。


 使用例1:TCPポートの接続を確認する(クリックで詳細表示)  
telnet 接続先 ポート番号

 使用例2:テキスト・ベースのプロトコルをデバッグする(クリックで詳細表示)  
telnet 接続先 ポート番号
と実行してからセッション・モードで操作