スイッチの冗長化の手段としてSTPがありますが,STPには欠点が存在します。ただし,それをカバーする技術がいくつかあります。今回はまずスイッチでのSTP設定を覚え,そのうえでSTPの拡張技術を確認していきましょう。

スイッチの設定と確認

 CiscoのCatalystスイッチは,デフォルトでSTPを使用する設定になっています。したがって,特にSTPを実施するために必要な設定はありません。ただし,ルートブリッジを選択するための,ブリッジIDのプライオリティの部分は手動で設定できます。

  • (config)# spanning-tree [VLAN番号] priority [プライオリティ]
    • [VLAN番号]
      • VLANごとにSTPが実行される場合に設定する
    • [プライオリティ]
      • ブリッジのプライオリティ。デフォルトは32768

 STPの状態を確認するには,show spanning-treeコマンドを使います(図1)。

  • # show spanning-tree ・・・ STPの状態を確認

 図1 show spanning-treeコマンドの実行例
show spanning-treeコマンドの実行例

 図1では,プライオリティ32768,MACアドレス0050.73b9.f500のスイッチがルートブリッジとして設定されています。このshow spanning-treeコマンドを実行したスイッチは,プライオリティ32769,MACアドレス000e.d7c9.7980です。

 また,インタフェースの情報から,Fa0/7ポートがルートポートで,ルートブリッジとコスト100で接続していることがわかります。ポートの役割(Role)と,ポートの状態(Sts)は次の値になりますので,その値により状態を判別します。

  • ポートの役割(Role)
    • Root ・・・ ルートポート
    • Desg ・・・ 指定ポート
    • Altn ・・・ 非指定ポート
  • ポートの状態(Sts)
    • FWD ・・・ フォワーディング
    • BLK ・・・ ブロッキング
    • LIS ・・・ リスニング
    • LRN ・・・ ラーニング