最近,Webブラウザで利用できるワープロや表計算ソフトがいくつか登場している。Googleが買収したWebワープロ「Writely」,「Zoho Writer」,そして2006年3月22日に提供開始されたばかりの「ajaxWrite」などである。

 「ThinkFree Office Online」は,Word,Excel,PowerPointと互換性のある文書を閲覧・作成・編集できるWebアプリケーションである。ブログに文書を直接ポストできる。WebブラウザでPowerPointのプレゼンテーションを見ることができる。既存の文書をPDFに変換することもできる。30Mバイトのディスク・スペースが付いた基本アカウントが無料である。現在ベータ版が提供されている。ベータ版はWindows 2000/XPとInternet Explorer(IE)6.0以降で動作が確認されている。Macintosh,Linux,Firefox,Safariも,間もなくサポートされる予定だ。この記事は,Windows XPとFirefox 1.5.0.1の組み合わせで試した。


図1●この記事のWord文書をThinkFree Office Onlineで開いたところ

 ThinkFree Office OnlineはWebブラウザで利用するので,OSに依存しないで文書を閲覧・編集できる。例えば,Excelの文書をLinuxで編集したり,PowerPointをインストールしていないパソコンでPowerPointのプレゼンテーションを見せたりできる。


図2●PowerPointのファイルをThinkFree Office Onlineで開いた画面

 ThinkFree Office Onlineに登録するとログインできるようになり,ログインするとMy foldersが表示される。


図3●My foldersを表示しているところ

 Word文書を新規に作るには,“New Document”をクリックする。ローカルにある文書をアップロードするには“Upload”をクリックする。

 新規作成した文書は,ThinkFreeのサーバーのMy foldersまたはローカル・ディスクに保存できる。My foldersにあるファイルは,編集,ダウンロード,名前の変更,ブログへのポストが可能である。ファイルの送信とプロパティの編集はできない。

 Wordの機能がすべて実現されているというわけではない。例えばハイライトした部分を大文字に変更する機能や,シソーラスなどはない。スペル・チェックや文字数カウントは可能である。

 日本語は,文書の中身とファイル名に利用可能である。印刷もできる。ソフトウエアのメニューも日本語で表示される。

 ThinkFree Office Onlineとは別に,文書をそのままWebで公開できるサービス「iCdocs」も提供されている。例えばWebページにあるxlsファイルをThinkFree Office Onlineで表示できる。pptファイルを表示してスライド・ショーを見ることができる。これを実現するには自分でHTMLを書いて,ページに挿入しなければならないが,インターネットで見ることのできる文書ファイルのURLが分かっている場合は,その文書ファイルを表示するためのHTMLコードを生成する機能がある。生成されたHTMLコードをコピーして,ページに挿入すると,その文書を表示するリンクが表示される。


図4●seedwikiにPowerPointのファイルをアップロードし,iCdocsのHTMLコードを挿入した例
「View」をクリックすると表示できる。

写真を集めたブログ「flickr」に掲載されている写真を,ThinkFreeで編集中の文書に挿入することができる。


図5●flickrの写真を文書に挿入した例