ファイル検索とファイルのダウンロード/アップロード機能です。 Winny(ウィニー)は2002年に登場しました。不特定多数のユーザーがファイルを共有するためのアプリケーションです。ネットワークにつながっているほかのユーザーのパソコン(Winnyがインストールされています)が持っているファイルを検索し,見つけたファイルを自分のパソコンにダウンロードすることができます。

図 Winnyネットワークで目的のファイルを探すメカニズム
日経NETWORK2003年3月号 特集2「まるわかりP2Pファイル共有」より抜粋

 Winnyのファイル共有のしくみで特徴的なのは,P2P(ピーツーピー)という技術を採用している点です。P2Pとはpeer to peerの略で,複数のパソコンが対等な関係で相互につながるネットワーク形態のことです。Winnyをインストールしたパソコンの場合は,そのパソコンを使ってリモートのほかのパソコンのファイルをダウンロードするクライアント機能と,ほかのパソコンからの要求に応じて自分のパソコンが保持しているファイルをダウンロードさせるサーバー機能の両方を持っているということになります。

 しかもWinnyでは,それぞれのパソコンが助け合いながら,ネットワーク全体としてうまく働くようになっています。例えば,あるユーザーが特定のファイルの検索要求を送ると,それを受け取ったWinnyパソコンは該当ファイルがなければ,またほかのパソコンへ検索要求を送るといった具合に動きます()。この結果,1台のパソコンの処理負荷は大したことがなくても,Winnyネットワークにつながる数十万台ものパソコンのファイルを検索できるようになるのです。

 このほか,P2Pアプリケーションの例として有名なものとしては,IP電話システムやSkypeがあります。


本記事は,日経NETWORK2006年5月号特集1『徹底解明 Winny&暴露ウイルス』に掲載した内容の一部をITpro向けに編集したものです