図2 経路途中の回線やルーターの障害が発見できる<BR>「* * * Request timed out.」と表示されるところが,障害発生個所だ。
図2 経路途中の回線やルーターの障害が発見できる<BR>「* * * Request timed out.」と表示されるところが,障害発生個所だ。
[画像のクリックで拡大表示]
表1 tracertコマンドのオプション・パラメータ&lt;BR&gt;複数のオプション・パラメータを組み合わせて実行することもできる。
表1 tracertコマンドのオプション・パラメータ<BR>複数のオプション・パラメータを組み合わせて実行することもできる。
[画像のクリックで拡大表示]

 では,あて先までの途中に障害があったら,どうなるか。図2はその例である。

 この図2[拡大表示]では,11行目まではルーターから応答が返ってきている。そして12行目以降はすべて「* * * Request timed out.」という結果が表示されている。

 つまり,12台目に経由するはずのルーター(あるいは通信相手そのもの)に到達できていないわけだ。11台目と12台目のルーターをつなぐ回線の断線,12台目のルーターのダウン,あるいは11台目のルーターのパケット転送の失敗などが,障害原因として考えられる。

 ただ,トラブルが発生していなくても,tracertコマンドを標準設定のまま使うと,あて先によっては図2と同じような結果が表示されるケースもある。例えば,11番目と12番目のルーターの間の回線が混雑していて応答が返ってくるまでに時間がかかっているケースである。

 そうしたときは,オプション・パラメータを使って,

   tracert -w 5000 通信相手

のように打ち込んでみよう*。この-wオプションは,タイムアウト時間を指定している。この例なら,タイムアウト時間を5000ミリ秒(5秒)に設定しているわけだ。

 このほかにも,tracertコマンドにはいくつかのオプション・パラメータが用意されている(表1[拡大表示])。覚えておきたいのは,-wオプションに加え-hオプションだ。-hは,経路を調べる際にどの程度遠く(ホップ数)まで調べるかを指定するオプション・パラメータである。つまり,経由するルーター数(ホップ数)の最大値を指定するオプションである。初期値は30になっているが,-hオプションを使うと最大255まで指定できる。

 図2の例だと,12~30行目はすべて「* * * Request timed out.」と表示される。しかし,この表示結果が出るまでには,長い時間待たされる。社内ネットの調査など,途中に経由するルーター数の上限がわかっているときは,-hオプションを使って

   tracert -h 5 通信相手

のようにホップ数を制限してみよう。そうすれば,コマンドが終了するまでの時間が短縮できる。