丸井のシステム刷新を主導した佐藤元彦 取締役グループ経営企画部長

 100億円をかけて基幹システムの再構築に取り組んできた丸井。2004年10月に営業支援システムを刷新したのに続き、2006年3月には顧客管理システムを全面刷新した。

 営業支援システムでは、店員にPDA(携帯情報端末)を配備し、他店も含めた全店分の在庫を検索したり、本部にいるバイヤーが全商品の動きをリアルタイムに把握することができるようになった。顧客管理システムでは、世界で初めてICカードのクレジットカードを即時に発行できるようにした。この仕組みは、30年以上発行してきた“赤いカード”をやめて3月に発行を開始した新クレジットカード「エポスカード」に生かされている。この刷新の陣頭指揮をとったのが、丸井でCIO(最高情報責任者)を務める取締役グループ経営企画部長の佐藤元彦氏である。

 佐藤氏は、情報システム部に13年間在籍。その後に店長や仕入れ物流管理部長を歴任し、さまざまな立場を経験してきた。これがCIOを担ううえで役立っている。丸井は、物流子会社のムービングなど役割ごとに別会社を持っている。丸井グループはそれぞれが専門の事業領域を持つ会社の集合体なので、各グループ会社からの提案が重要だと考えている。それらの提案をグループで全体最適化できるように調整するのが佐藤氏の役割である。

 情報システム部門も別会社になっている。エムアンドシーシステム(M&C、東京・新宿)がそれだ。100億円かけた基幹システムの刷新など丸井グループで使うシステムを開発している。佐藤氏は同社に対して「最新のITをどう使いこなすか、という半歩先の提案をし続けてほしい」という。一方、ITベンダーに対しては、「プラス情報だけでなく、必ず懸念事項も伝えてほしい」と要望する。


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・すべてにおいてスピード対応すること。
・加えて、リスクやマイナス情報も正しく伝えること。

◆ITベンダーに対して
・プラス情報だけでなく、必ず懸念事項も伝えてほしい。

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