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業務革新ビフォー・アフター

【ユニ・チャーム】「カリスマ経営から脱却,
アジア1位の4000億円企業へ」(前編)

杉山 泰一=日経情報ストラテジー 2006/04/19 日経情報ストラテジー
出典:日経情報ストラテジー 2006年2月号234ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

ビフォー・ アフター

 紙おむつ「ムーニー」などで知られるユニ・チャームは2003年10月、部長・室長クラス以上の社員に対して独自の経営管理手法「SAPS(サップス)経営」の導入を開始。2005年4月から全社員に適用し始めた。SAPSはSchedule Action Performance Scheduleの略。「週次の思考(戦略)と行動の計画を立てる→実行する→効果を測って反省点・改善点を抽出する→次週の計画を立てる」という意味がある。全社員に週次の戦略と行動と反省点を毎週公開させ、アドバイスし合うのだ。

 カリスマ経営者として知られる先代社長の高原慶一朗氏(現・会長)の後を継いだ高原豪久(たかひさ)社長は、SAPS経営をトヨタ生産方式や京セラのアメーバ経営のように、会社のDNAとして時間をかけてきちんと定着させたい意向だ。そこには「優れた商品を開発しても、ライバル会社に追従される。しかし、優れた経営管理手法とそれを実践する社員の実行力は、簡単にまねできない」という思いがある。


毎週月曜日午前8~9時に開催する「SAPS経営会議」。80台を超すビデオ会議システムも駆使し、経営陣、執行役員、部長・室長、マネジャーなど約100人が参加
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●カリスマ経営者の下で右肩上がりに成長してきたが、管理職にまで指示待ち体質がまん延。新社長が「SAPS経営」で企業風土改革を狙う
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「計画者=実行者、の気持ちで目標や戦略を立てよう」と強調する高原豪久社長
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 「2003年10月から段階的にSAPS(サップス)経営を導入し、着実に成果が上がってきた。この手法が完全に定着すれば、大きな武器になる」

 ユニ・チャームの高原豪久(たかひさ)社長は、信念に満ちた表情で力強く語る。「何の手も打っていなければ、売り上げが下降しても、『デフレ基調だから仕方ない』と社員は達観していたろう。実際は、半年かかる商品の開発を3カ月にできたり、50億円の売り上げを見込む商品が100億円売れる事例が出始めた。常に上を目指す風土ができてきた」

 同社は、2005年3月期に過去最高の売上高2461億円と純利益164億円を記録した。背景には、2003年10月から段階的に導入を進める新経営管理手法がある。

 豪久社長は2001年6月に、「カリスマ経営者」だった高原慶一朗・前社長の後を継いだ。1961年の創業以来ほぼ右肩上がりで成長してきたユニ・チャームだったが、業績は壁に突き当たっていた。2000~2001年度は2年連続で営業利益が減少した。

 現在、高原社長は、会社の継続的な発展の基盤を築くべく、SAPS経営の定着に心血を注ぐ。2004~2007年度を対象とした第6次中期経営計画の実現手段として、SAPS経営手法を中核に据えた。2007年度に売上高4000億円、営業利益500億円、ROE(株主資本利益率)15%を目指す。「アジアのパーソナルケア市場で、ナンバーワンのシェアを取る」(高原社長)

週次で戦略と行動と反省を共有

 SAPS経営手法の最大の特徴は、すべての社員が先週の反省点と今週の戦略、日次スケジュールを公開し、上司や同僚がアドバイスを与える週次会議にある。高原社長はSAPS経営を定着させる意義を、「商品と違って、優れたビジネス・マネジメント・モデルとそれを使いこなす社員の実行力は、他社が簡単に模倣できない」と説明する。

 同手法では4つのツールを使う。(1)OGISM(オージーアイエスエム)(A(エー))表、(2)ダメ詰めローリング表、(3)SAPS週報、(4)週次SAPS会議—である。

 最初の3つは、社員一人ひとりが記入する行動計画表。(1)には、中計を達成するための半期ごとの目標、目標を達成するための戦略と課題、戦略の進捗(しんちょく)状況を表す数値指標を書く。(2)には、半期の目標を達成するための今月の重点課題と進捗状況を、1週間ごとに見直して記入していく。先週の重点反省項目と今週の実行計画も書き込む。(3)は1週間のスケジュール表だ。業務予定を時間単位で記入する。

 (1)~(3)の3点セットは、毎週開催するSAPS会議に持参。3点セットに記載した内容は、イントラネットで公開したり、会議でコピーを配ってアドバイスし合うことによって、ナレッジ共有を促す役割を果たす。

 (4)の週次SAPS会議は、部長・室長クラス以上が参加する「SAPS経営会議」、各部長・室長と配下のマネジャーによる「部門SAPS会議」、各マネジャーと一般社員の「小集団SAPS会議」の3種類がある。ここで、約1000人の社員のうち部長・室長、執行役員、経営陣の計100人弱が参加するSAPS経営会議の様子を見てみよう。

 「上海営業部の部長、先週の報告をお願いします」

 「2005年第47週(先週)の実行計画と反省点、実施しなかった理由、成果が上がらなかった理由を説明します。……(中略)……。これに基づき、第48週の実行計画は……(中略)……とします」


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