今回は,前回インストールしたWindows Live OneCare(以下OneCare)を実際に使ってみる。OneCareのインターフェースはスパイウエア対策ソフトの「Windows Defender」に非常によく似ていて,PC保護機能やパフォーマンスを向上させる機能,バックアップ機能などが利用できるシンプルな画面構成になっている(図1)。興味深いことに,初回起動時にはウィザード画面が現れなかった。その代わりに,アプリケーション・ウインドウをあちこちいじり回したり,いったんアプリケーション・ウインドウを閉じた後にOneCareが指示を出すのを待ったりして(実際OneCareはあれこれと様々な指示を出す),OneCareの設定を行った。


図1:Windows Live OneCareのメイン画面
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 OneCareが動作し始めると,後はほとんど何もする必要がない。OneCareはアプリケーション・ウインドウを閉じると,後はバックグラウンドで動作する。

 とはいえ,既存のWindows Defenderが本当にバックグラウンドで動作するのに対して,OneCareはかなり頻繁に必要もないポップアップ式通知バルーンを出すという,はた迷惑な性癖を持っている。ユーザーは,OneCareがアップデートされていることを知ったり(図2),OneCareがアプリケーションの実行を許可したことを知ったりして(図3),幸せな気分になるのだろうか。そんなことはない。イライラするだけだ。


図2:アップデートされたことを示す通知バルーン


図3:アプリケーションの実行を許可したことを示す通知バルーン

 Windows XP Service Pack 2に搭載された「セキュリティ・センター」と同様に,OneCareはシステムの健康状態を「緑色」「黄色」「赤色」といった具合に視覚的に画像で示してくれる。システムの健康状態を示す画像は,OneCareのメイン画面の右上に表示され,非常に目立っている。「Microsoft Update」から重要なセキュリティ修正プログラムをインストールしていないなどセキュリティ上の問題があるとき,このアイコンは黄色のびっくりマークになる(図4)。ウイルス対策機能が無効になっているなど,重大な問題に陥ったときは,赤色の十字架になる(図5)


図4:セキュリティ修正プログラムが適用されていない場合の警告
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図5:ウイルス対策機能が無効になっている場合の警告
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 アイコンが黄色や赤色に変わった場合には,OneCareは同時に問題を解決してくれるボタンも提供してくれる。OneCareが提供するソリューションは,様々な機能が統合されている。重要なセキュリティ修正プログラムをインストールしていない場合,Internet Explorerを立ち上げてMicrosoft UpdateのWebサイトを開き,足りないものを手動でダウンロードするよう強制する。もっとも,ウイルス対策機能が無効になっている場合に提供されるソリューションは,OneCareのウイルス対策ソフトを有効にするボタン1つだけである。

 総合的にいって,OneCareは人々が統合セキュリティ対策ソフトに望むほぼすべての機能を備えているといって良いだろう。

 OneCareの全機能は,[Windows Live OneCare Settings]で設定する。この画面は,メイン画面で[View or change settings]を選択すると出てくる(図6)。[Tuneup][Backup][Antivirus][Antispyware][Firewall][Logging]というタブがあるのが分かる。ここで興味深いのは[Antispyware]のタブである。OneCareのスパイウエア対策機能は,別個のアプリケーションであるWindows Defenderが提供しているが,ここからその設定が施せる。なおメイン画面にはアカウント管理用のリンクも存在する。これをクリックすると,サブスクリプション管理用のWebサイトが開く(図7)


図6:Windows Live OneCareの設定画面


図7:サブスクリプション管理用のWebサイト
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 Windows Live OneCareは,非常に包括的な機能を搭載している。「ZoneAlarm Security Suite」などの統合セキュリティ対策ソフトは,単一パッケージとしてウイルス対策機能やスパイウエア対策機能,ファイアウオール機能を提供している。OneCareはこれをさらに発展させ,セキュリティ対策機能だけでなく,パソコンを快適に動作させるための便利な機能も追加している。続いて,OneCareの持つ機能を1つずつ検証していきたい。