世の中には,これから導入するシステムを成功させるための条件を解説したり,稼働したが役に立っていないシステムを指弾したりすることはままある。しかしいざ稼働を始めたシステムについて,役に立っていない場合にどうしたらよいのか,効果をより期待するには何をすべきかと言う議論は少ない。

 これまでの経験から言って,ITのシステム導入はむしろ稼働後に成否の鍵があると言える。「そのシステムを動かせ!」では,稼動後問題のあるシステムの現象を多方面から取り上げて,どうやったらそのシステムから効果が期待できるかを考えてみたい。


これまでに掲載した記事の一覧

「そのシステムを動かせ!」以前の掲載記事一覧

本音の議論で,失敗しないIT導入の条件を探ろう
システム構築は「完成後,不満は必ず出る」という前提で進めよ
システム担当者は現場を巻き込め!
IT導入の人材をどのように獲得・育成したら良いか?
後ろ向きの職務転換でも本人のやる気次第で成功へ
個人プレーは中堅・中小IT化を妨げる?
ITを対症療法として利用すべきではない
トップはもっと勉強しIT化に関与せよ!
IT化の前に経営の問題点を見直すべし!
KJ法とSWOT分析で業務の見直しを急げ!
システム部門よ,強くなれ!
システム部門は戦略部門として処遇せよ
トップがITの伝道者となり従業員の意識を改革!
IT化の抵抗勢力の意識改革を成功させるには?
ITを利用し会議時間を短縮するには?
ITを利用した会議の落とし穴とは?
IT導入の成否を分ける業務改革
業務改革推進のための3つの対策とは?
要件定義こそがシステム開発成功の決め手
要件定義をスムーズに行う秘訣
システムトラブルはテスト不足に端を発する
効果的にシステムテストを行う方法とは?
テスト前のレビューでエラーをつぶす
システム品質をレベルアップするレビュー
中堅・中小企業の後悔しないIT導入(1):最適なベンダーとシステムの選び方
中堅・中小企業の後悔しないIT導入(2):ベンダーの実力を見極める具体策
ITコンサルタントの選び方とつき合い方(1):“ジョーカー”を引かないために
ITコンサルタントの選び方とつき合い方」(2):Good Listener&Enforceable Person を選べ

「そのシステムを動かせ!」一覧

「意識改革なんてシステム稼動後にするもの」と割り切れ
意識改革には「動機とトリガー」がキーワード
【現場ファイルNo.1】朝日食品容器:ERP導入で業務効率アップ
動かせ抵抗勢力(1):しつこい抵抗勢力にどう対応するか
動かせ抵抗勢力(2):しつこい抵抗勢力にどう対応するか
【現場ファイルNo.2】「50種類のエクセル入力」が「Web画面で1度」に激減:双日システムズ
血の出る業務改革でシステムを甦らせるか,そのまま放置するか(その1)
「血の出る業務改革でシステムを甦らせるか,そのまま放置するのか」(その2)
【現場ファイルNo.3】ないものづくしの中で見事に立ち上げたERP:ラスト・オリウム ジャパン
システム殺すにゃ理屈はいらぬ,入力軽視があればいい(その1)「まず入力を疑え,そして出力に注目せよ」
システム殺すにゃ理屈はいらぬ,入力軽視があればいい(その2)「死に体システムを甦生させるためのデータ入力方法はこれだ!」
【現場ファイルNo.4】基本に忠実,業務をソフトに合わせてシステム導入に成功
オレオレ詐欺を笑えないIT盲信のお目出度い人々
ユーザー要求は適当なところで切り捨てろ
ユーザー要求の切り捨てどころ,納得させどころ
システム部門自らが動き,トップを目覚めさせよ!
機能の割愛・間引きへ傾斜する開発部隊を救え!
ダメシステムはひとまず葬れ(1)旧業務のままで効果は得られない
ダメシステムはひとまず葬れ(2)業務改革には複数の要件が求められる
ダメシステムはひとまず葬れ(3)反発押さえレガシーとローカルのシステムを たたき出す
ダメシステムはひとまず葬れ(4)現状を認めざるを得なくとも対策は継続せよ
ダメシステムはひとまず葬れ(5)稼働しない新システムはレガシー/ローカルに席を譲れ
ダメシステムはひとまず葬れ(6)人材削減で追い詰められ新システムを放棄
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(1)悲しい存在としてのユーザー
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(2)システム甦生のためにユーザーがやるべきこと
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(3)情報シス部門の孤立招くマイペースと自意識過剰
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(4)情報システム部門よ,閉鎖社会から飛び出せ
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(5)決定的責任を持つCIOよ,変身せよ!
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(6)CIOよ,奇策を捨て基本を着実に実行すべし
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(7)ITを知らないトップは即刻退陣せよ
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(8)IT導入にはトップによる経営改革が必要
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(9)SEのシステム責任能力がレイムダック化を絶つ
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(10)SEのシステム責任は運用・保守まであると思え
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(11)ベンダーはシステム丸投げを受け入れるな
ダメシステムとその蘇生に関わる人々(12)ベンダーは中長期のパートナーを目指せ

■増岡 直二郎 (ますおか なおじろう)

【略歴】
小樽商科大学卒業後,日立製作所・八木アンテナなどの幹部を歴任。事業企画から製造,情報システム,営業など幅広く経験。現在は,nao IT研究所代表として経営指導・執筆・大学非常勤講師・講演などで活躍中。

【主な著書】
『IT導入は企業を危うくする』,『迫りくる受難時代を勝ち抜くSEの条件』(いずれも洋泉社)

【連絡先】
nao-it@keh.biglobe.ne.jp